第11話 『011 柵を作る』

『011 柵を作る』


オガーナに柵を作ってもらった。


「囲いの柵は完成だ。ありがとう」


「何に使うのか」


「イノシシを入れる。この囲いの中に入れる」


「入れてみます、おいイノシシよ、中に入れ」


「あれ、イノシシは動かないな」


「なぜ動かないのでしょうか」


「俺が言ってみよう、イノシシよ中に入れ」


 俺が言ってみると入った。


 なぜかな?


 俺とオガーナの違いか。


 ユニークスキルの影響かな。


「入りました。ユウタが言うと命令に従うようです」


「きっとユニークスキルだろう。俺のペットフードを食べているから、俺だけ命令を聞くんだ」


「何かユウタに負けた感じがする」


「気にすることはない。これが牧場だ。牧場っぽくなったぞ!」


 イノシシが入り、俺がイメージしていた牧場になった。


 地面は雑草状態で囲いにイノシシがいる。


 まさしく日本で見ていた牧場まんまだ。


 オガーナには感謝する。


 オガーナが居なかったら、俺一人でここまで作るのに何年かかるか。


 それをたった一日で達成してしまった。


 イノシシの魔物は増やせれば最高だが、課題は俺は都会暮らしで、牧場の経験はないことだ。


 イメージしかないから、囲いを作ってエサを与えるくらいしか思い付かないが、いいのかな。


「ユウタさ、イノシシが食べたい。私が料理をするけどいいか?」


「じゃあ一匹食べていいよ。いっぱい仕事をしてくれたお礼だ」


 オガーナがお腹が空いたらしい。


 あれだけの仕事をしてもらったのだから、イノシシ魔物を一匹くらい安いものだ。


 オガーナを見ていると料理を開始した。


 ただ火はないから、生で食べるようだが大丈夫なのか。


 オガーナはいいが俺は普通に日本人で、都会暮らしだったので、抵抗力とかめっちゃ弱いですから。


 アウトドア好きな人なら、木を使って火を使えるが、残念ながら俺には知識も経験もない。


 逆にアウトドア好きな人なら楽しいだろう。


 イノシシは食べられる肉に切られた。


 内蔵はオガーナが食えばいい。


 俺は遠慮しよう。


「さあ、切ったぞ。ユウタの分も用意した、どうぞ」


「俺が食べても平気かな、どれどれ」


「どうだい?」


「美味しいぞ!」


「あはははは、イノシシの魔物はの肉は生で食えます、柔らかい肉ですよ」


「これは美味しい肉だな。驚いた」


 やや不安になりつつも肉を食べてみたところ、美味しい。


 肉は生ハムを食べているようだった。


 ただ塩はないから薄味であるが、それでも肉は美味しいのは間違いない。


 牧場を作るのが楽しくなってきました。

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