第7話 『007 オーガ』

『007 オーガ』


 俺の前にいるのは大きな体をしたオーガ!


 たぶんオーガだろうと思うのは、マンガで視たことがある姿だったし、手には大きな斧を持っています。


 完全に俺を殺しますって感じ。


 どうしたらいい!


 イノシシ魔物とは次元が違うよな。


 よくマンガであるのは、勇者とかが戦う魔物だよね。


 今の俺に勝てる相手とは思えない。


 迫ってくる。


 最悪だった。


 川を発見して、牧場を作るなんて、甘くかった。


 森に他にも化け物がいた。


 斧を振り上げる。


 終わったか。


 こんなことになるなら、日本にいた時に、もっと欲しい物を買っておけば良かったな。


 銀行に貯金も多少はあったから、牛丼を食えば良かった。


 後悔しかない。


 最後の悪あがきだな。


 ドライフードか。


 オーガみたいな化け物が、猫のドライフードを食うかというと、食うわけない。


 カリカリした食感だが、食欲を満たすには俺を食った方が満たされる。


「ドライフードだ、食ってくれ」


 ドライフードを袋ごと投げる。


 するとオーガは、袋を拾った。


 あれ、食べてくれたのか。


 そんなに美味しいのか。


 あれ、オーガの様子が変だな。


「もしかしたら、美味しいのか?」


「美味しいです」


 えっ、俺の質問に答えた!


 しかも敵意はない答えだった。


 イノシシと同じく敵意はないな。


「俺を殺すのかい?」


「いいえ、殺しません。それよりも、この、食料を食べたい、欲しい」


「どうぞ、食べていいよ」


「ありがとう、うん、美味しいわね」


「キミはオーガなのか? しかも女の子?」


「そうよ、オーガ族です。名前はオガーナです」


「オガーナか。よろしく、俺はユウタ」


「ユウタ、よろしく」


 オーガ族の女子なのは、怖くて良く見ていなかったが、体は大きな胸があり、女性のグラビア体型。


 日本に俺ならこんな体を見たら、興奮するが、危険過ぎてわからなかった。


 そして名前はオガーナだった。


 オガーナはドライフードを食べた後に、俺と仲良くなった。


 最悪の事態は逃れたので、安心する。


 マンガでは知っていたのは、異世界のオガーナと会話が出来ている点で、きっと転生した時に言語理解を得ているのだろう。


 スキルで言語理解ってのもある。


 俺の場合はユニークスキルの欄に言語理解はないから、初めから話せる設定みたいだな。


 その方がありがたいです。

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