第2話 『002 ユニークスキル』

『002 ユニークスキル』


「出た! これか俺のステータスか。それにしても弱いぞ!」


 めっちゃ期待した。


 しかし現れたステータスは恐ろしく弱い数字の列だった。


 スライムにも勝てないだろう数値。


 期待外れだった。


「待てよ、こういう時の主人公には最初から強いステータスの場合と、逆にめっちゃ弱いステータスの時もあるよな」


 転生した場合には大きく2パターンある。


 俺のステータスはめっちゃ弱いけども、これは最初は弱いけど、実は使い方によって最強になるパターンがある。


 俺の場合は、きっと後から最強になるケースだと信じたい。


 せっかく異世界転生したのだかから、最強になるのは憧れだし、誰だって弱いままなんて望まない。


 信じたい、信じたい、きっと俺は後から最強になる!


 すごいユニークスキルなんでよな!


 そこでステータスの下の方に目を向けた。


「ユニークスキルはと、えっと、あれ、えっと、ペットフード?」


 なにこれ!


 ペットフードってなんだよ!


 俺はもう一度確認してみたが、ユニークスキルはペットフードだった。


 さすがに無理だろ。


 いくら後から最強になるスキルはあっても、ペットフードに期待するバカはいない。


 期待した俺がバカだったのか。


 最上級に期待しただけに、ショックも大きい。


 地面に座り込みたい気分だし、出来ればもう一度、転生し直したいよな。


 よくあるのは転生する時に自分でスキルを選ぶのもあったと思う。


 俺のケースは選ぶ権利もないまま、自動で設定される親切設計のようです。


 選ぶ手間はないし、悩む必要もないけど、外れユニークスキルの時は、運が悪いとしかいいようがないな。


 しかし決まったステータスは変更は無理ですから、このペットフードで、生き抜くしか俺が生き残る方法はなさそうだ。


「食料がないと、死ぬな」


 生きて行くのに必要なのは食料だろう。


 日本でならコンビニやスーパーで、金さえ払えば購入できるものの、森である。


 森のなかにコンビニはない。


 大自然には食料はあるでろうが、俺みたいに都会で生まれて、しかもアウトドアも経験ないから、食料の確保は絶望的だ。


 キノコなんかは食べられると聞くが、正直怖い。


 毒キノコとかあるからな。


「もしかしてペットフードは出せるのかな?」


 ユニークスキルのペットフードは、持っていないが、俺が出せるのかもしれない。


 人間が食べても問題ないと聴いたことがあるから、食料になるかもだな。


 よし、頼むぞ、ペットフード!


「ペットフード出てこい!」

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