異世界転生で牧場を作ろう~ペットフードスキルでテイムしたらSランクの種族が集まりキャンプ飯やスローライフします

おーちゃん

第1話 『001 異世界転生』

『001 異世界転生』


 仕事を終えて自宅に帰るとした。


 いつも何の変化もない生活で、いわゆるブラック的な会社で働いている。


「あ~あ、疲れたな」


 思わず口から出てしまう言葉は、楽しみがない日々だったからだった。


 何か変化のあることをしたいなと思うも、自分では現実を変えるのは難しいなと感じる。


 仕事を変えるとはいっても、俺は低時給のバイトくらいしか仕事ないんだよな。


 だから仕事を変えても直ぐに同じになってしまう。


「ノラ猫?」


 すると道にノラ猫がいた。


 猫は俺の方を見ている。


 何か餌が欲しそうな目をしている風だな。


 何も食べていないのかな。


「コンビニがあるから、待っていろよ」


 別にエサをあげる必要はないけど、俺はコンビニでペットフードを購入した。


 コンビニには猫犬のフードは必ず売っているから、買う人はいるのだろう。


「ほら食べな」


 猫はまだ同じ場所にいて、ペットフードを地面に置くと警戒している。


 警戒はしていたが、食べてくれてお腹は空いていたようだ。


 その時だった。


「なんだ!? 意識が遠くなっていく、俺は」


 急に意識が遠くになっていった。


 いったいどうしたのか?


 












「ここは、どこかな?」


 森?


 俺は都会で暮らして、回りはビルやマンションしかない風景だったのに、今は森だった。


 確か俺はノラ猫にペットフードをあげていたんだよな。


「まさか異世界転生か?」


 最近はマンガでよくある設定で、死んで異世界に転生してしまう話があるが、まさか俺は異世界転生したのだろうか。


「俺は死んだらしい」


 そしてこの世界に転生したのだと思ったのは、現実としか思えないくらいにリアルだったから。


 異世界転生ならば、魔物が出るのは定番だな。


 魔法や剣で魔物を倒すのは嫌いではないが、俺にできるかは不安だ。


 さいわいにも俺の周りは森で、魔物は見えないのは助かる。


「転生したならステータスは表示するかな?」


 これも転生ものには定番である。


 自分のステータスが表示されて、ユニークスキルやレベルが確認できて、主人公は特殊なスキルや魔法を使える。


 チートなスキルなどで、異世界で最強になる話になるわけで、俺にも最強になるユニークスキルかあると信じたい。


 最強の主人公になって、魔王を討伐にしに行くのは憧れるし、前の日本の生活よりも楽しそうだ。


 さあ、どんなステータスが俺にはあるのか見てやろう。


 勇者になるようなスキルよ、来い!


「ステータスオープン!」


 どうするかわからないけど、ステータスオープンしてみよう。


 マジか、ほんとにオープンされる。


 だいたいこういう時のセリフを真似したのが良かった。





名前 ユウタ

種族 人族

レベル 1

体力  10

攻撃力 10

防御力 10

魔力  10

速度  10


ユニークスキル ペットフード





「出た! これか俺のステータスか。それにしても弱いぞ」


 めっちゃ期待した。


 異世界転生したなら人生をやり直せるからで、日本ではつまらない人生だった。


 嫌な生活が続いたし、これで人生逆転勝ちを期待したのだ。


 しかし結果、現れたステータスは恐ろしく弱い数字の列だった。


 スライムにも勝てないだろう数値で、絶句するレベルの弱さ。


 期待外れだった。


 結局のところ、俺の人生は転生しても変わらないのだろうか。


「待てよ、こういう時の主人公には最初から強いステータスの場合と、逆にめっちゃ弱いステータスの時もあるよな」


 転生した場合には大きく2パターンある。


 俺のステータスはめっちゃ弱いけども、これは最初は弱いけど、実は使い方によって最強になるパターンがある。


 俺の場合は、きっと後から最強になるケースだと信じたい。


 せっかく異世界転生したのだかから、最強になるのは憧れだし、誰だって弱いままなんて望まない。


 信じたい、信じたい、きっと俺は後から最強になる!


 すごいユニークスキルなんでよな!


 そこでステータスの下の方に目を向けた。


「ユニークスキルはと、えっと、あれ、えっと、ペットフード?」


 なにこれ!


 ペットフードってなんだよ!


 俺はもう一度確認してみたが、ユニークスキルはペットフードだった。


 さすがに無理だろ。


 いくら後から最強になるスキルはあっても、ペットフードに期待するバカはいない。


 期待した俺がバカだったのか。


 最上級に期待しただけに、ショックも大きい。


 地面に座り込みたい気分だし、出来ればもう一度、転生し直したいよな。


 よくあるのは転生する時に自分でスキルを選ぶのもあったと思う。


 俺のケースは選ぶ権利もないまま、自動で設定される親切設計のようです。


 選ぶ手間はないし、悩む必要もないけど、外れユニークスキルの時は、運が悪いとしかいいようがないな。


 しかし決まったステータスは変更は無理ですから、このペットフードのスキルで生き抜くしか俺が生き残る方法はなさそうだ。


 そこで思った。


「食料がないと、死ぬな」


 生きて行くのに必要なのは食料だろう。


 日本でならコンビニやスーパーで、金さえ払えば購入できるものの、ここは誰もいない森である。


 森のなかにコンビニはない。


 大自然には食料はあるでろうが、俺みたいに都会で生まれて、しかもアウトドアも経験ないから、食料の確保は絶望的だ。


 キノコなんかは食べられると聞くが、正直怖い。


 毒キノコとかあるからな。


「もしかしてペットフードは出せるのかな?」


 ユニークスキルのペットフードは、持っていないが、俺が出せるのかもしれない。


 人間が食べても問題ないと聞いたことがあるから、食料になるかもだな。


 よし、頼むぞ、ペットフード!


「ペットフード出てこい!」

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