異世界転生で牧場を作ろう~ペットフードスキルでテイムしたらSランクの種族が集まりキャンプ飯やスローライフします
おーちゃん
第1話 『001 異世界転生』
『001 異世界転生』
仕事を終えて自宅に帰るとした。
いつも何の変化もない生活で、いわゆるブラック的な会社で働いている。
「あ~あ、疲れたな」
思わず口から出てしまう言葉は、楽しみがない日々だったからだった。
何か変化のあることをしたいなと思うも、自分では現実を変えるのは難しいなと感じる。
仕事を変えるとはいっても、俺は低時給のバイトくらいしか仕事ないんだよな。
だから仕事を変えても直ぐに同じになってしまう。
「ノラ猫?」
すると道にノラ猫がいた。
猫は俺の方を見ている。
何か餌が欲しそうな目をしている風だな。
何も食べていないのかな。
「コンビニがあるから、待っていろよ」
別にエサをあげる必要はないけど、俺はコンビニでペットフードを購入した。
コンビニには猫犬のフードは必ず売っているから、買う人はいるのだろう。
「ほら食べな」
猫はまだ同じ場所にいて、ペットフードを地面に置くと警戒している。
警戒はしていたが、食べてくれてお腹は空いていたようだ。
その時だった。
「なんだ!? 意識が遠くなっていく、俺は」
急に意識が遠くになっていった。
いったいどうしたのか?
◇
「ここは、どこかな?」
森?
俺は都会で暮らして、回りはビルやマンションしかない風景だったのに、今は森だった。
確か俺はノラ猫にペットフードをあげていたんだよな。
「まさか異世界転生か?」
最近はマンガでよくある設定で、死んで異世界に転生してしまう話があるが、まさか俺は異世界転生したのだろうか。
「俺は死んだらしい」
そしてこの世界に転生したのだと思ったのは、現実としか思えないくらいにリアルだったから。
異世界転生ならば、魔物が出るのは定番だな。
魔法や剣で魔物を倒すのは嫌いではないが、俺にできるかは不安だ。
さいわいにも俺の周りは森で、魔物は見えないのは助かる。
「転生したならステータスは表示するかな?」
これも転生ものには定番である。
自分のステータスが表示されて、ユニークスキルやレベルが確認できて、主人公は特殊なスキルや魔法を使える。
チートなスキルなどで、異世界で最強になる話になるわけで、俺にも最強になるユニークスキルかあると信じたい。
最強の主人公になって、魔王を討伐にしに行くのは憧れるし、前の日本の生活よりも楽しそうだ。
さあ、どんなステータスが俺にはあるのか見てやろう。
勇者になるようなスキルよ、来い!
「ステータスオープン!」
どうするかわからないけど、ステータスオープンしてみよう。
マジか、ほんとにオープンされる。
だいたいこういう時のセリフを真似したのが良かった。
名前 ユウタ
種族 人族
レベル 1
体力 10
攻撃力 10
防御力 10
魔力 10
速度 10
ユニークスキル ペットフード
「出た! これか俺のステータスか。それにしても弱いぞ」
めっちゃ期待した。
異世界転生したなら人生をやり直せるからで、日本ではつまらない人生だった。
嫌な生活が続いたし、これで人生逆転勝ちを期待したのだ。
しかし結果、現れたステータスは恐ろしく弱い数字の列だった。
スライムにも勝てないだろう数値で、絶句するレベルの弱さ。
期待外れだった。
結局のところ、俺の人生は転生しても変わらないのだろうか。
「待てよ、こういう時の主人公には最初から強いステータスの場合と、逆にめっちゃ弱いステータスの時もあるよな」
転生した場合には大きく2パターンある。
俺のステータスはめっちゃ弱いけども、これは最初は弱いけど、実は使い方によって最強になるパターンがある。
俺の場合は、きっと後から最強になるケースだと信じたい。
せっかく異世界転生したのだかから、最強になるのは憧れだし、誰だって弱いままなんて望まない。
信じたい、信じたい、きっと俺は後から最強になる!
すごいユニークスキルなんでよな!
そこでステータスの下の方に目を向けた。
「ユニークスキルはと、えっと、あれ、えっと、ペットフード?」
なにこれ!
ペットフードってなんだよ!
俺はもう一度確認してみたが、ユニークスキルはペットフードだった。
さすがに無理だろ。
いくら後から最強になるスキルはあっても、ペットフードに期待するバカはいない。
期待した俺がバカだったのか。
最上級に期待しただけに、ショックも大きい。
地面に座り込みたい気分だし、出来ればもう一度、転生し直したいよな。
よくあるのは転生する時に自分でスキルを選ぶのもあったと思う。
俺のケースは選ぶ権利もないまま、自動で設定される親切設計のようです。
選ぶ手間はないし、悩む必要もないけど、外れユニークスキルの時は、運が悪いとしかいいようがないな。
しかし決まったステータスは変更は無理ですから、このペットフードのスキルで生き抜くしか俺が生き残る方法はなさそうだ。
そこで思った。
「食料がないと、死ぬな」
生きて行くのに必要なのは食料だろう。
日本でならコンビニやスーパーで、金さえ払えば購入できるものの、ここは誰もいない森である。
森のなかにコンビニはない。
大自然には食料はあるでろうが、俺みたいに都会で生まれて、しかもアウトドアも経験ないから、食料の確保は絶望的だ。
キノコなんかは食べられると聞くが、正直怖い。
毒キノコとかあるからな。
「もしかしてペットフードは出せるのかな?」
ユニークスキルのペットフードは、持っていないが、俺が出せるのかもしれない。
人間が食べても問題ないと聞いたことがあるから、食料になるかもだな。
よし、頼むぞ、ペットフード!
「ペットフード出てこい!」
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