第38話 街への侵入②
アッシュ・リードとその部隊が街に近づくにつれ、彼らは防壁の上に鎮座する光る玉を発見した。防壁は高く、街を完全に包み込んでいるように見え、その上には一定の間隔で淡い光を放つ玉が置かれていた。光は月明かりに反射し、霧の中で青白く輝きながら、まるで守護者のように防壁を見守っている。
アッシュはその光景をじっと見つめ、眉をひそめた。「あれが結界を発生させているとしたら…」
カナが近くに寄り、アッシュの視線の先を追った。「でも、確証がないわね。あの玉が本当に結界を作っているかどうかは分からないわ。」
元老院の兵たちもその光景に注目していた。彼らは互いに顔を見合わせながら、困惑の表情を浮かべている。マルコム村長も、アッシュたちと一緒に防壁の上を見上げ、その光る玉に気を取られていた。
「まずは街に入ってみて、実際に確認する必要があるな。」アッシュは決断を下した。彼は街の住人に目を向け、協力を求めるように告げた。
「君たちに頼む。街の中に入って、これらの玉が本当に結界を発生させているのか、街長に確認してもらえないだろうか?私たちはここで見守っているから。」
住人の中から、頼りにできる一団が名乗り出た。彼らはしっかりとした装備を持っており、街の内部に通じる道を知っているようだった。彼らの中のリーダーが前に出て、アッシュに頷いた。「わかりました。すぐに確認してきます。」
リーダーの一団は街の入り口へと向かい、その背中が徐々に小さくなっていった。アッシュはその姿を見送ると、元老院の兵たちと共に集まり、街を奪還するための作戦会議を始めることにした。
「まずは結界の正体を確認する必要がある。」アッシュは意気込みを込めて言った。「街に進入するためには、その結界をどうにかしなければならない。もし光る玉が結界を発生させているとすれば、それを解除する方法を見つける必要がある。」
元老院の兵たちは真剣な表情で耳を傾けていた。一人の兵士が口を開いた。「結界が本当に光る玉によって作られているのなら、玉を破壊する方法が考えられるかもしれません。ただし、街の中に侵入する際には、どのような敵が待ち受けているかも慎重に考慮する必要があります。」
「そうだな。」アッシュは頷いた。「街の中の状況も把握しなければならない。特に敵の配置や防衛の強度を把握することで、計画を立てやすくなるだろう。」
会話が続く中、アッシュたちは戦術についての詳細な議論を交わし、どのようにして街に侵入し、結界を解除するかの手順を整えていった。戦闘の準備と並行して、結界の正体に関する情報を待つ時間が流れていった。
あとがき
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