第22話 元老院の決定

 共和国の首都にある壮大な議会場の重厚な扉がゆっくりと開かれる。朝の光が差し込み、厳かな雰囲気が漂う中、元老院の議会が始まった。高座に座る5人の魔術師たちは、それぞれが強力な属性魔法の使い手であり、威厳を感じさせる存在だ。


 円卓を囲むように座る魔術師たちのローブには、異なる属性のシンボルが刻まれている。火、水、風、土、光の五属性が揃い、その存在だけで会場は緊張感に包まれていた。静寂の中、重々しい議論が始まる。


 まず、火属性の魔術師が立ち上がり、厳しい表情で報告を始めた。「帝国の進軍が我々の街を占領し、さらなる拡大を図っている。」


 その言葉に、水属性の魔術師が眉をひそめる。「彼らの次の狙いは、村を通じて共和国全体を脅かすことだ。」声には緊張と警戒が滲んでいる。


 風属性の魔術師が即座に応じる。「我々は迅速に対応しなければならない。手遅れになる前に手を打たねば。」


 土属性の魔術師が冷静に提案する。「街を奪還するためには、精鋭部隊を派遣する必要がある。」その提案に、光属性の魔術師が頷きながら補足する。「村の協力を仰ぎ、二方向からの進軍に対応する策を講じよう。」


 議論が白熱する中、リーダーである光属性の魔術師が毅然とした態度で結論を下す。「我々の使命は、この国を守ることだ。精鋭部隊を編成し、村へと派遣する。」


 火属性と風属性の魔術師が村へ派遣されることが決定された。リーダーが厳しい表情で指示を出す。「火属性のレオンと風属性のエルザが村へ向かい、両側からの帝国の進軍に対応する。」


 レオンとエルザは互いに頷き、決意を新たにする。その眼差しには揺るぎない覚悟が宿っていた。


 元老院の厩舎では、使者が早馬に乗り、急ぎ村へと向かう準備を整えていた。村長マルコムが広場で使者を迎えると、元老院からの協力要請を受け取った。


「精鋭部隊が向かう。村の協力が必要だ。」使者の言葉に、マルコムの表情が一層険しくなる。


 村長マルコムが村人たちを集め、元老院からの要請を説明した。「皆、聞いてくれ!元老院の精鋭部隊が我々の助けに来る。我々も準備を整え、彼らを支援しなければならない。」


 村の若者たちは訓練を受け、村を守るための準備を進めた。アッシュ、エリック、カナも協力し、村の防衛に向けて力を合わせることを決意した。


 元老院の厩舎では、レオンとエルザが馬に乗り、装備を整えて村へと向かう準備を終えていた。元老院のリーダーが深い声で宣言する。「我々の決定が共和国の未来を左右する。全力を尽くそう。」


 レオンとエルザは互いに視線を交わし、決意を胸に出発する。彼らの背中に光が差し込み、その姿はまるで英雄のように見えた。


 精鋭部隊が出発し、物語は次なる展開に進んでいく。彼らの決意と行動が、共和国の運命を大きく左右することになる。


あとがき

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