第19話 ハンターたちの旅立ち

 オーガの脅威が去り、村には平穏が戻っていた。広場では子供たちが楽しげに遊び、村人たちは日常の雑談に花を咲かせていた。アッシュたちはハンターたちとの訓練の成果を実感し、少しずつ自信を深めていた。


 アッシュは広場の一角で剣の練習をしていた。カナとエリックもそれぞれの訓練を続けている。村人たちがその様子を見守り、温かい眼差しを送っていた。


 ハンターたちは次の任務に向けて村を離れる準備をしていた。村の広場には、彼らを見送るために集まった村人たちの姿があった。


「これで安心して村を守ることができるでしょう」とグレイが村長マルコムに挨拶をした。


 カリンはカナに別れの言葉をかけた。「また会える日を楽しみにしている」と微笑みながら言うと、カナも微笑み返した。


 リアはエリックに向かって、「もっと腕を磨けよ」と励ましの言葉をかけた。エリックは力強く頷いた。


 ボルドはアッシュの肩を叩き、「君たちならきっと強くなれる」と力強く言った。アッシュはその言葉に勇気をもらい、決意を新たにした。


 グレイがアッシュに向かって言った。「これは君たちへの贈り物だ。これを使って装備を作り、自分たちをさらに強化してくれ。」


 カリンはオーガの角や皮を見せながら、「これらの素材は非常に強力だ。上手く活用すれば、君たちの力になるはず」と説明した。


 アッシュたちは提供されたオーガの素材を使って新しい装備を作成するため、村の鍛冶屋に向かった。アッシュは雑魚兵を鍛冶屋の手伝いに派遣することで、将来的には装備の自給自足が可能になることを見据えていた。


 鍛冶屋の主人に素材を見せたアッシュが頼む。「これで装備を作ってほしい。」


 鍛冶屋の主人は素材を手に取り、感嘆の声を上げた。「これは素晴らしい素材だ。最高の装備を作ってやる。」


「雑魚兵たちに手伝わせてください。彼らも学べることがあるはずです」とアッシュが言うと、鍛冶屋は頷いて受け入れた。


 アッシュは雑魚兵のために防具と武器を作成する様子を見守った。鍛冶屋はオーガの皮を使って頑丈な防具を作り、オーガの骨で強力な槍を作り上げた。雑魚兵たちは鍛冶屋の技術を学びながら作業を手伝い、その姿にアッシュは満足げに頷いた。


 エリックもまた、オーガの筋や角を使った大弓を作成する様子を見守った。鍛冶屋は精巧な技術で大弓を仕上げ、エリックに手渡した。


 村の広場で、アッシュとエリックは新しい装備を手にし、さらに自信を深めていた。アッシュは新しい装備を身に着けた雑魚兵を召喚し、その強化された姿に感動した。


 エリックは大弓を手に取り、深く息を吸い込んだ。大きくタメを作りながら、狙いを定める。周囲の静寂が彼の集中を物語っていた。放たれた矢は一直線に飛び、力強く的を貫いた。


「すごい……」とエリックが呟くと、アッシュとカナもその威力に驚きの表情を見せた。


 アッシュたちは新しい装備を手に入れ、次の挑戦に向けて準備を整える。ハンターたちとの別れは寂しいが、彼らの教えと贈り物を胸に、自分たちの力を信じて前進することを決意した。


 新しい装備を手に入れたアッシュたちは、次なる試練に備えてさらに訓練を続ける。村の平和を守るため、彼らの冒険は続いていく。


あとがき

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