第18話 初めての師匠

オーガの脅威が一時的に取り除かれ、村には穏やかな雰囲気が戻っていた。村人たちはホッとした表情を浮かべ、広場で談笑している。その中で、アッシュ、カナ、エリックは一つの決意を胸に秘めていた。


「僕たちももっと強くなりたい。」アッシュが広場の片隅で仲間たちに語りかける。「ハンターたちに師匠になってもらうべきだと思うんだ。」


カナは頷き、「彼らの技術は本当に素晴らしかった。学べることがたくさんあるはず。」


エリックも同意し、「ああ、俺もリアの射撃技術には感心した。彼らに教われば、俺たちももっと強くなれる。」



アッシュたちはハンターたちの休息場所に向かい、意を決して師匠になるように頼むことにした。木陰で休息を取っていたハンターたちは、彼らの突然の訪問に一瞬驚いたが、アッシュたちの真剣な表情にすぐに興味を持った。


「僕たちにもっと強くなるための訓練をお願いしたいんです。」アッシュが真剣な目でグレイに言う。「あなたたちのようになりたいんです。」


グレイは腕を組み、じっとアッシュたちを見つめる。「君たちの熱意は分かった。しかし、訓練は厳しいものになる。それでもついてこれるか?」


カナは一歩前に出て、「私たちは本気です。何でも乗り越えます。」



ハンターたちはアッシュたちの依頼を真剣に受け止め、話し合いを始めた。グレイがリーダーとして、アッシュたちの決意と成長意欲を評価しながらも、慎重に判断を下す。


「彼らが本気なら、私たちも全力で応えましょう。」カリンが提案する。


リアも笑みを浮かべて、「若い世代に技術を伝えるのも悪くないわ。」


ボルドは力強く頷き、「私も手伝おう。防御の基礎はしっかり学んでもらう。」


こうして、ハンターたちはアッシュたちの師匠になることを決意した。



訓練が始まる。ハンターたちはそれぞれの専門分野を活かし、アッシュたちに個別指導を行う。


グレイの剣術訓練:

グレイはアッシュに対して、剣術の基本から高度な技術までを教えた。防御と攻撃のバランスを取ること、冷静な判断力を鍛える訓練が描かれる。


「まずは基本の構えだ。攻撃と防御のバランスを考えろ。」グレイはアッシュに言いながら、剣を構える。


リアの狙撃訓練:

リアはエリックに対して、弓の扱い方や狙いを定める技術を教える。距離や風の影響を考慮した射撃、瞬時の判断力を磨く訓練が行われた。


「風を読んで、弦を引くタイミングを見極めるんだ。」リアはエリックにアドバイスをしながら、遠くの的を射抜く。


カリンの魔法訓練:

カリンはカナに対して、攻撃魔法と防御魔法の使い分けを教える。魔力の制御や集中力を高めるための訓練が行われた。


「魔力を無駄にしないように、集中して。」カリンはカナに魔法の基本を教えながら、手本を見せる。


ボルドの防御訓練:

ボルドは全員に対して、防御の基本を教える。盾の使い方、敵の攻撃を受け流す技術、チームプレイの重要性を学ばせる。


「防御は攻撃と同じくらい重要だ。しっかりと構えて、敵の攻撃を受け流すんだ。」ボルドは大きな盾を持ちながら、アッシュたちに示範する。


戦術の指導

ハンターたちはまた、様々な戦術を教えた。


包囲戦術:

「敵を取り囲んで、逃げ場を失わせるんだ。」グレイは説明し、実演を見せた。


突撃と撤退:

「まずは突撃して敵の注意を引き、すぐに後退。後衛がその隙に攻撃を加える。」ボルドが実演する。


誘導戦術:

「幻影や囮を使って敵を誘導する。」カナが幻影魔法を使い、敵を特定の地点に誘導する方法を示した。


連携攻撃:

「一人が敵の動きを封じる間に、他のメンバーが強力な攻撃を加える。」グレイが説明し、ボルドが実際に敵の動きを封じる。


陣形戦術:

「前衛が敵を引きつけ、後衛が安全な位置から攻撃を行う。」リアが後方から攻撃を加える。


混乱戦術:

「幻影や音、光を使って敵を混乱させ、その隙に攻撃を加える。」カリンが火球や雷撃の魔法を駆使し、敵を混乱させる。


弱点狙い戦術:

「事前に敵の弱点を調査し、戦闘中にそこを狙って攻撃を行う。」リアが敵の弱点を狙う技術を見せた。


持久戦術:

「無理に攻撃せず、防御を重視しつつ、機を見て攻撃を行う。」ボルドが防御に徹し、リアとカリンが交互に攻撃を行う。


訓練が終わり、アッシュたちはハンターたちの厳しい指導を通じて、自分たちの成長を実感していた。不安もあったが、彼らの教えに従って一歩一歩前進することができた。


「俺たちも少しは成長できたかな。」アッシュが微笑む。


「次の試練に向けて、もっと頑張ろう。」カナが力強く言う。



そして、グレイはアッシュたちに最後の忠告をする。「これはあくまで、対魔物に使用する戦術だ。知能が高かったり、人間相手にはもっと上の知識が必要だぞ。」その言葉は、アッシュたちの胸に深く刻まれた。


あとがき

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