第51話 予期せぬ遭遇
ショッピングモールの通路を歩きながら、太郎、花子、美咲の三人は楽しげに会話を交わしていた。水着を選び終えた後の達成感からか、みんなの顔には笑みが浮かんでいる。
「ねえねえ、お腹ペコペコだよ」花子が腹を押さえながら言う。
美咲も頷いて「私も、何食べようかな」と答える。
三人がフードコートに向かって歩いていると、突然聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あら?あなたは会長の...」
振り返ると、そこには生徒会副会長の佐々木美穂が立っていた。太郎は思わずドキリとして、言葉につまる。
「あ、あの...佐々木先輩、こんにちは」
太郎が慌てて挨拶をすると、花子と美咲も続いて「こんにちは」と挨拶した。
佐々木は三人を見て、にっこりと笑顔を見せる。「こんにちは。買い物ですか?」
「は、はい」太郎は少し緊張気味に答える。
佐々木は意味深な笑みを浮かべながら言った。「会長とのデートの次は両手に花ですか。」
「え?いや、違います!」太郎は慌てて否定する。「友達と買い物に来てるだけで...」
佐々木はくすくすと笑い「わかっていますよ。冗談です」と言った後、少し声を落として「会長には内緒にしておきますね」とウインクした。
「あ、ありがとうございます?」太郎は複雑な表情で答える。
佐々木は三人に軽く手を振りながら「それじゃ、楽しんでくださいね」と言って去っていった。
三人は佐々木の後ろ姿を見送りながら、ため息をつく。
「またこんな所で...」太郎がぼそっと言う。
花子は太郎の肩を軽く叩きながら「まあまあ、気にしない気にしない!それより早くご飯食べに行こうよ!」と元気よく言った。
美咲も小さく頷き「そうだね。お腹空いたし」と言う。
三人は再びフードコートに向かって歩き始めた。
フードコートに到着すると、三人はハンバーガーショップを選んだ。
「やっぱりジャンクフードは最高だよね!」花子が目を輝かせながら大きなハンバーガーを頬張る。
美咲も小さめのハンバーガーを手に取りながら「たまにはこういうのもいいよね」と微笑む。
太郎は二人の様子を見ながら、自分のポテトを食べ始める。しかし、さっきの出来事が頭から離れない。
「ねえ」花子が突然話しかけてきた。「さっきの副会長、会長の話してたけど?」
太郎は少し困ったような表情を見せる。「ああ、実はこの前も...」
「この前も?」美咲が興味深そうに聞く。
太郎は深呼吸をして説明を始める。「この前、東雲先輩とたまたまここで会って、そのままあかりちゃんと一緒に買い物してるときに会ったんだ。その時もデートですかって言われて...」
「へぇ~」花子が意味深な笑みを浮かべる。「会長とデートしてるとこ見られて、次は私たち二人か。副会長から見たら太郎、プレイボーイじゃん」
「違うって!」太郎は慌てて否定する。「誤解もなにも、友達と買い物してるだけだし...」
美咲は黙って二人のやり取りを聞いていたが、ふと小さな声で言った。「確かにそこだけ切り取ると鳴海くん...」
太郎は少し困ったように頭をかく。「神崎まで...。ここに来るといつも誰かに会ってる気がするよ」
花子はニヤリと笑う。「学校から近いし、いろいろ買い物しようと思ったらここだしね。でも、太郎がモテモテなのは間違いないよね」
「もう、からかうなよ」太郎は少し開き直り気味に言う。「友達と買い物してるだけだし、そんなに大げさに考えることじゃないだろ」
美咲は静かに頷きながら「そうだね。友達同士で買い物するのは普通のことだもんね」と言った。
花子は急に元気を取り戻したように「そうそう!だから今日も楽しもう!」と声を上げる。
三人は笑いながら、ハンバーガーを食べ続けた。しかし、太郎の心の中では、まだ佐々木との遭遇が引っかかっていた。
(内緒って言ってたし東雲先輩に言ったりしないよな...)
そんな不安を抱えながらも、太郎は目の前の二人との時間を楽しもうと努めた。フードコートの喧騒の中、三人の笑い声が響く。
この日の出来事が、彼らの関係にどんな影響を与えるのか。ただ、太郎の青春が、また新たな1ページを刻んだことは間違いなかった。
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おっぱい揉む?と聞かれたので揉んでみたらよくわからない関係になりました。 星宮 嶺 @qnemy
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