訓練
いきなり戦闘訓練を始めることになった玲香の前途は非常に多難だった。
まず、基礎的な体作りから始める必要があったので、大変なのは当然なのだが……。
「信じられない……たった三日、これだけの期間体を動かしていただけで、こんなに強くなれるなんて」
ただ、玲香の成長曲線は化け物じみていたけども。
最初の頃はだった玲香であるが、たった三日の訓練だけで既にその身体能力は一流の魔法使いであるリトスへと並んでしまっていた。
「最初だから、ね。この世界にある魔力は本当に便利なのよ。魔法を発動させるときの原動力として使われることが主になっている魔力は、非常に便利で、何にでも応用できるのよ。その魔力が肉体へと染みこみ、それらが運動によって血肉へと変わる。それだけで身体能力は跳ねあがる」
「そうなの?」
「えぇ。特に玲香は元々、体内に保有する魔力がゼロだったからね。一気に魔力が体にしみわたり、それが力へと変わる。本来であれば、普通の子供が成長と共にその身に宿らせる力をいきなりすべてその身に詰め込んだのだから、その強さが人外レベルになるのも当然ね」
「へぇ……そうなんだ。凄いね、異世界」
「とはいえ、ここまで早いとは思っていなかったけど……まさか、もう並ばれるとは思っていなかったわよ」
玲香の肉体が取り込む魔力量は信じられないくらいに多かった。
だからこその、規格外の急成長。
いくら、元のスタートがゼロだとしても、ここまでの速度は異次元……そう簡単に、この世界の上澄みであるリトスに追いつけるものじゃない。
例え、彼女が近距離戦闘を主としない魔法使いであったとしても。
「凄いね、異世界人」
これが、世界の壁を渡り、その魂の格を一段、上のレベルにまで引き上げさせている異世界人というわけなのだろう。
「それでも、こっちの方が好都合よ。それじゃあ、本格な戦闘訓練に入っていくわ。まず、やるのが体術の基礎と魔法の基礎ね。最初は体術と魔法。そのどちらが性に合っているかを確認していきましょう」
「えぇ、わかったわ」
あまりにも順調に進み続けている玲香の訓練。
それは更に進んでいくのだった。
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