始め
インターリたちのパーティーの中で、リトスはあまり目立たない側の人間ではあるが、それでも圧倒的な力を持っている世界の中でもエリート中のエリートだ。
そしてまた、言語化能力も非常に高く、人に教えるのが非常にうまい子だった。
リトスは実に便利な人材なのだ。
「と、言うことなんだけど、概要についてはわかったかしら?」
「はい……わかりました」
まず、この世界での戦い方の概要。
重要な魔法についての説明を行ったリトスの言葉に玲香は頷く。
一時間ばかりのリトスの説明により、玲香はしっかりとこの世界の戦闘方法についてある程度理解できるようになっていた。
「それじゃあ、まずは……軽く動くところから始めようか。魔法適性とか、異世界人が持っている特有の能力とか、それらを探るのもいいけど、まずは動けないとしょうがないからね」
基礎の基礎。
そこから始めていくのはどんなものごとにも通じる大前提だ。
「……そうですね」
「だから、簡単にジョギングの方から始めていこう。運動神経の方は自信あるかしら?」
「ある程度は」
「それなら、良かった。それじゃあ、始めていきましょうか」
まずは体を動かすところから。
そんな考えより、玲香はリトスと共にジョギングを始めていく。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
そして、そこからすぐに玲香は足を止めて息を切らす。
「あらぁ?」
「……早すぎっ」
玲香は決して、運動神経が悪いわけではない。
部活等には入っていないので、何かに特化しているわけではないが、持ち前の運動神経より、基本的に何でもできるし、部活の助っ人として参加して大会に出てもある程度活躍できるくらいには動ける。
だが、それはあくまで地球での話だ。
「ジョギングというより……もう、それは、全速力。はぁ……はぁ……はぁ……」
ここ、そこら辺にいる子供たちでもオリンピック選手くらいに動ける異世界を基準にしてしまうと、今の玲香の身体能力はそこら辺にいる小さな子供たちでしかなかったのだった。
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