二つの夢 8話後半

ねえ、バレイちゃん!


なに、ミラーちゃん。


わたし!大きくなったら王子様と結婚するの!


王子様?王子様ってたくさんいるけど、誰と結婚するの?


うーん、それはまだ決めてないけど、この小説に出でくる、英雄様みたいな人かな?


と、近くの机に置いてあった読み古した小説を手に取る。


でもその英雄様って架空の人物でしょ?


夢がないな~・・・・。


そしてまた別の記憶が。


ミラーは英雄冒険譚小説を何度も読み返していた。


ミラーちゃん、それ100回以上読み返しているけど飽きないの?


ねえバレイちゃん!わたしこの英雄様みたいに冒険してかっこよく悪い魔物を倒してみんなに英雄様っていわれて世界を救いたい!


王子様と結婚するんじゃないの?


どっちの夢も叶えるの!


現在のバレイ(英雄様のような人と結婚したくて、英雄様のように強くもなりたいなんておかしな夢だとその時は思ったけど今はその夢を応援してあげたい、だってミラー様は普段はおちゃらけてるけど、裏では毎日努力してるから、礼儀作法を真剣に学んで、通信学校から送られてくる課題も予習復習を繰り返してテストはいつも高得点だし、こっそり木の剣で素振りしたり、魔術や剣術の座学を勉強したりしてる、手にまめができないように手の平に魔法をかけてケアしてるのも知ってる」


バレイは悩んだ末、口を開く。

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