祈りと姉妹 7話
ミラー姫は城の内部にある教会三人の姉妹と母共に毎日神に祈りを捧げていた。その隣にはバレイがいる。
この時間、いつもミラー姫は何か心のどこかで引っ掛かるものがある。だが皆に合わせて手を合わせ目を瞑り祈る。
だがバレイは祈っていなかった。
祈り終わり、城に帰る途中。ミラー姫はバレイに尋ねる。
ミラー姫「バレイはなんで祈らないの?」
バレイ「私は護衛しなければならないので、目をつぶっていては隙が出来るからです」
ミラー姫「いや、あんた私と将棋してた時おもっくそ寝てたじゃん…」
城の庭の清掃をしていた女使用人達はバレイに手を振る。
バレイは軽く会釈する。
ミラー姫「バレイって女なのに女にモテるよね」
バレイ「そうですか?」
そうよ、私もバレイが男だったら、付き合いたいもん。
とミラーの姉、長女第一姫ラーシはバレイの隣を歩く。
そして城に帰ると母娘達はティータイムを始める。バレイはその横で立っていた。
バレイ隣に座りなよ〜。
と次女第二姫サナーが横にある空いている椅子の座面を軽く二回叩いた。
バレイ「いえ、私は護衛なので敵が来たらすぐ動けるように立っておきます」
ナルハ王妃「そんな気を遣わなくていいわ、ずっと立っていたら疲れるでしょう、あなたも女の子なんだから少しは自分を労りなさい」
バレイ「はぁ…」と首を傾げながら座る。
すると第二姫サナーはバレイの腕にくっつく。
そういえば、パパどこ行ったん?
第三姫三女メリーは小型ゲーム機ps2に熱中しながら母たちに尋ねる。
ナルハ王妃「パパは、G8に出席中よ、今は遠い異国の地にいるわ」
第二姫次女サナー「G8ってなに?」
ナルハ王妃「8か国による首脳会議よ、8つの国の王様が集まって重要な会議をするの」
第四姫四女ミラー「よくわかんないけど、仕事中なんだね」
第二姫次女サナー「バレイ、はい、あ~ん」
と一口サイズのお菓子にフォークを刺して、バレイの口の目の前に持っていく。
バレイは戸惑いながらもその菓子をパクっと食べた。
サナー「おいしい?」
バレイ「美味しいです」
サナー「もう、結婚して!!」
ミラー「やめろ、気持ち悪い!吐くわ!!!」
サナー「なに、嫉妬?」
ミラーは虫唾が走るので両脇腹を無心で掻いた。
ナルハ王妃「やめなさいミラー、王子様と結ばれたいのなら、お茶会では上品になさい」
ミラー「へーい」
とティーカップの紅茶をわざと下品にずずずと音を立て飲んだ。
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