憧れの姫 6話
とその時姫は疲労が蓄積したのか剣が届く寸前で力尽き、よろよろと体が倒れそうになるが、バレイがとっさにその体を支え姫を守る。
姫は息が上がり、汗だくであるがバレイは冷や汗一つこそ掻いたが呼吸も安定している。
バレイ「大丈夫ですか?」
ミラー姫「ねぇ…私、強い?…どっち?センス…ない?」と息を切らしながらも問う。
バレイ(自分の才能に気づいてないのか…)
バレイ「そうですね…私から見れば…」
行けませんよミラー! とミラーの母、ナルハ王妃が冷や汗を掻き、こちらに駆け寄ってくる。
ナルハ王妃「一国の姫ともあろう者が剣なんて物騒な物を持ってはいけません!バレイ、貴女もなぜ止めないのですか!」
バレイ「申し訳ありません、護身の術を身につける事も重要だと思ったのです」
ナルハ王妃「あなたがいればそれで十分です、怪我でもしたらどうするの」
ミラー姫「ママ、過保護過ぎるよ、いいじゃん剣くらい、今のご時世、女は剣ngなんて考えは古いよ、フェミが発狂するよ」
(私はいつか城を出て冒険するんだ、子供の頃からの夢…そしてあの何度も見返した小説の英雄様みたいに強くなる)
ナルハ王妃「あなたは王子様と結婚するんじゃないの!?体に傷なんてつけたら、誰も貰ってくれないわよ!?子供の頃からの夢なんでしょ?」
ミラー姫は一瞬、ルーヤ姫の葬儀が脳裏によぎる。
ミラー姫「体に傷をつけなきゃいいんだ」
ナルハ王妃「稽古に傷はつきものでしょうが、さ、どこか怪我をしているかもしれません、さ、医務室に」とナルハ王妃がおんぶする。
ミラー姫「やめてよ、ママ、はずかしいよ」
ナルハ王妃「体温も上がってるじゃない、こんな夏の日に…風邪引いてたらどうしましょう…」と深刻な顔をし俯く。
ナルハ王妃「バレイ、あなたはいつもとてもよい働きをしてくれます、なので少しばかりの職務怠慢は見過ごしてきましたが、今回は目にあまりますよ」
バレイ「申し訳ありません、なんなりと処罰を…」と片膝をつき顔を下げる。
ナルハ王妃「そう、かしこまらないで下さい…もういいわ、あなたもきちんと水分を取るのね」
と15の娘を抱えて母親はその場を後にした。
バレイ(たくましい、母親だな、ミラー様が羨ましい…)
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