第60話 愛してる

「な、な、な、何だこれ………」


そこに広がっていたのは。


「ニンゲンの写真?」


モモがそう言う。そうニンゲンの写真が壁にも天井にも床にも貼られていた。そのニンゲンは。


「俺?これ全部俺の………写真?」


全てカオルの写真で埋めつくされていた。


「隠し撮り?俺………撮られた記憶ないぞ?」


だってその隠し撮りの中には。


「家の中の写真もある。寝顔も?」


明らかに家の中に入ってる形跡があった。

更に


「ちょっと待て。これ、俺の失くした弁当箱………これ箸………水筒も。」


一時期モノが失くなるということが起きていた。その時のモノたちだ。

更に鉛筆 消しゴム 定規 コンパス そしてペットボトル。これはまさか俺が飲んだペットボトル?捨てたはずじゃ………


「ニンゲン………アレ見て。」


「へ?な、何だ………アレ。」


そこには垂れ幕のように習字で書かれた文字があった。その文字は


「カオル君の子供を授かる」


そう書いていた。


「ひ、久々にひいたわ。」


「私もビックリ。これから隠したいよね。」


「アイツ………いつから………」


「ニンゲンこれ若くない?」


「は?え?それ、中学時代の………」


中学時代の写真も紛れてる?


「つまりアイツ………中学から俺を知ってる?俺は知らないぞ?高校に入ってから絡んだだけで………」






「あぁあぁ………開けちゃった。」


ビクッとすると同時に冷や汗が出る。

そこには


「メグミ………何で?」


「何でって私のセリフだよ~。何で入ってるのかな~?」


キャラがおかしい。


「お前まだ勉強中のはずじゃ………」


「抜け出して来たんだよ。愛するダーリンのために。」


「お前……………」


「カオルくん。いや、カオル。」


スッーと息を吸うと




「愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してるよ?」

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