第59話 開かずの間

「確かにそうか。悪いことしてなんぼか。なら人の嫌がることしてなんぼだよな。」


「そうだよ。ニンゲン!思い出して!」


「よし、開けに行こう。秘密の間ってヤツを。」




その秘密の間にはこう書いていた


絶対に入ってはいけません。入ったら呪われます。死にます。壊れます。頭がおかしくなります。


「どういう脅しかただよ。」


「でも普通ここまでかかれたら入りたくないよね?」


「入りたくないな。」


「けどそこを入るのがニンゲンだよ!」


「人を新種の生き物みたいに言うの止めろ、モモ」


「……………ふー耐えた。」


「耐えたって何だよ?」


「ムズムズするの!これまでに名前なんかつけられたことなんてなかったから。」


「これまでにこれまでにって言うけどよ。お前のその願いを叶える能力成功したヤツはいるのかよ?」


「いない。てかもうこの世にもいない。皆罪悪感とかで自分で死んじゃった。金よりも何よりも罪悪感が勝つらしいよ。でもこれまでにやってきたチャレンジャーの中でニンゲンは一番生存率が高い。だから楽しいんだよ!私は!」


「あっそ。ゲーム感覚どうも。俺を使ったRPGって感じだな。お前にとっては。」


「RPG?なにそれ?」


「わかんねーならいいや。」


扉の前でペチャクチャペチャクチャ喋る。


「ってニンゲン早くしないとメグミ帰ってくるよ?」


「来ねーよ。アイツはしっかり真面目に学校行ってるから。俺とは違うから。」


「でも早く開けよ!開けよ!開けよ!」


「モモが見たいだけだろ?」


「うん!人の秘密見るの大好き!」


「ひでぇ趣味。まぁいいけど。とりあえず………」


ドアノブに手をかける。


「開けるぞ。」


「カウントダウンしてあげる。」


「ウザイからやめろ」


「3 2 1」


「結局するのかよ。」


そのカウントダウンと共に開けた扉。

そこに広がっていたのは。

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