悪行するのは君がため

第46話 社会不適合者

「あはは………意外とブラックジョークもいけるんだね？意外だよ……君よく見るといい顔してるし、イケメンのブラックジョークとかそういう癖の人には刺さるんじゃな」

「ブラックジョークでもジョークでも本気だ。」

「本気？」

ハナの顔が歪む。

「何だ？今まで色々な多種多様な性癖を見てきたんだろ？ならオレの性癖も受け入れてくれよ？」

「き、君のは性癖ではない………」

「は？」

「は、犯罪でしょ？」

「学校の性処理女とか言われてるヤツが何を言ってんだ？何普通のこと言ってんだ？」

「ふ、普通のことだって言ってもいいでしょ？私だって普通の女……」

「普通じゃない。」

「へ？」

ハナの言葉を遮る。

「普通じゃない。普通じゃないからお前に頼んだんだよ。人の童貞を奪うのが楽しい。だから見ず知らずのヤツと何人とヤッてきた、お前もそこんとこから普通じゃない。普通のヤツはそんなことしない。楽しいとか思わない。お前は狂ってる。ネジが外れてる。社会不適合者。そしていわば障害者。それは俺も同じだ。色んな悪行をして悪を悪だと思わなくなった。狂ってる。ネジが外れてる。社会不適合者。そして、障害者。俺とお前は鏡だ。似た者通しなんだよ。」

「………………赤ちゃん作るだけなら私だって許容したよ。私が育てないという理由で君に渡して。だけどその赤ちゃんを………」

「殺す。」

「何で？」

「何で？」

「理由を教えて？赤ちゃんが欲しいんでしょ？けど殺しちゃうの？その意味が分からない。」

「詳しくは伝えられない。俺にも守秘義務ってモンがある。だけど言ってみれば俺は赤ちゃんが欲しい訳ではない。赤ちゃんを殺すという行為をしたいだけだよ。」

「な、何で？何で？何でその意味が分からないんだけど………」

「小さな幼い命を使って大切な人の命を救うため、かな。」

「……………？」