第41話 未来の未知の話

「私先にシャワー行ってくるね。」


「おー。スマホいじって待ってるわ。」


「うん。待ってて。」


そう言って風呂場に消えるメグミ。



「ニンゲン。」


「何だよ?げんなりした顔して。」


「メグミ、カオル、メグミ、カオルじゃないし………何イチャイチャしてんの?寒気する~。」


「聞かなきゃいいだろ?」


「ニンゲンに取り憑いてるんだから嫌でも聞こえるの!」


「そりゃ大変なことで。」


「もう痒いよ。痒い。何イチャイチャしてんの?悪行する気ある?」


「あるよ。うるせーな。」


「あとさ。」


「あん?」


「あのニンゲン。使えそうって初めは思ったけど、使いにくいかもよ?」


「どういう意味だ?」


「ニンゲンも気づいてるでしょ?アレには何か大きな爆弾がある。」


「あ~。分かってる。バカじゃねーから。よく分かってる。話の中で何回も変だと思った点はあった。だけど点と点が繋がらないから無視してた。」


「アレはかなりの嘘、それもヤバい嘘を抱えてるよ。」


「自分の部屋入るな、って言ってるくらいだからな。」


「役に立つ嘘なら歓迎だけどね。」


「アイツの部屋開けたら死体がたくさんとかな。」


「それなら話は早いよね!」


「死体があるなら部屋に入らせたくないよな。いくら彼氏とは言っても。」


「死体があるなら1個くらい分けてもらって殺せばいいのにね?」


「死体は死んでるから死体だろ?それを殺せはしないだろ。」


「じゃあどっかから捕まえてきたところを見つけて分けてもらって殺す、とか。」


「今、空想で話してるだけだからな。アイツが人殺しであるという微かな期待を胸に話してるだけだからな?人殺しなんて探したらそう簡単には出てこないよ。」


「今から人殺しになるニンゲンならいるけどね。」


「それもいつになるか分からない。まだ未来の、未知の話だろ?」


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