第40話 秘密の数だけ女は

「温かいうちに……食べよ。」


「そうだな。じゃあ」


「いただきます。」

「いただきます。」


久々に食べる温かい飯。そりゃ旨い。てかマトモな飯食ってなかったからマジで胃に力がたまる。


「旨いな。料理上手いんだな。」


「そんな………普通だよ………」


「得意料理は?」


「唐揚げ?」


「料理上手いだろ。唐揚げとかわざわざ得意な料理で言わないし。」


「そうかな?」


「流石、女子って感じ。」


「あ、ありがとう。修行した甲斐がある。」


「修行?」


「あ、え~と、花嫁修行?みたいな。」


「へ~。すげ~な。」


「えへへ………」




「ごちそうさま。」

「ごちそうさまでした。」


「洗い物は俺するよ。」


「え、悪いよ………」


「これから一緒に住むんだ。分けといた方がいいだろ?そういうの。」


「うん。確かに………ありがとう。」


「でも洗ってる間暇だから話でもしようぜ。」


「うん。いいよ。」


「気になってたんだけどよ。」


「何?」


「何でお前は学校の情報家とか気取って情報収集してんの?」


「う、う~ん………ノーコメント。」


「何それ。ズル。」


「言えないよ。そんなこと。」


「何か悪いことでもしたのか?」


「悪くはない。」


「なら大丈夫だろ。」


「けど………ヤダ。」


「何で?じゃあヒント。ヒントくらいはくれよ。」


「ヒント?ヒント、ヒント………完璧にしておきたかったから。」


「完璧に?何を?」


「終わり。終わり。私の番だよ。」


「何だよ、それ。」


「じゃあ………話しておきたいこととかじゃないけどお願い。」


「お願い?」


「私の下の名前………」


「メグミだろ?」


「え、知ってるの?」


「たまたまな。」


「じゃあ………これから………メグミって呼んで。」


「そんなんでいいのか?」


「うん。呼んで。」


「メグミ」


「うん」


「メグミ」


「はい」


「メグミ」


「へい」


メグミの顔は幸せに満ちていた。

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