第31話 使えるモノ

「喧嘩?何のことだ?」


「しらをきるおつもりですね。いいですよ。それでも。でも答え合わせくらいはしましょうか。昨日カオル様が折った監視カメラ。そのデータを消したのは私です。そしてパンクした車が何故話題になっていないのか。それはパンクした車の前に私が アラカワ マサヤと書いておいたからです。」


「アラカワ マサヤ………」


この学校で一番のワル。誰の手にもつけられないから異名は野良犬。1人で気ままにワルを楽しんでいる、この学校で名がしれわたっているヤンキー。


「そのアラカワ マサヤがしたように見せました。だから何も話題にもなってないんです。」


「……………」


「これでもしらをきるおつもりですか?」


「アカツキ………お前の目的はなんだ?脅迫か?」


「いえ。以前から気になっていたカオル様が積極的に活動なされているので何かお役にたちたいな、と。」


「気になっていた?お前………」


「好きですよ。カオル様のこと。」


告白された。初めて。この変人に。


「ライクのほうか?」


「ラブだと思います。あ、でも返事はそんな早くしなくていいですからね?ラブを伝えただけで終わりですから。」


「ちょっと待て。」


起き上がり隅っこにいき


「死神。」


「ナニ?色男!モテたじゃん?」


「モテるモテないじゃなくて。お前これどうしたらいい?」


「死神に恋愛相談?聞く相手間違ってない?」


「ちげーよ!この告白を受けたらまた違った悪行が出来るだろ?」


「違った悪行とは?」


「女遊びだよ。」


「女遊び?ナニ?交尾とかしたりすること?それは高校生でもするから悪行にはならないでしょ。」


「けどそれが子供を産むくらいのレベルにまで達したら?」


「子供を産ませる身体に相手にさせるってこと?それはまぁ、悪行ポイント高いかもね?」


くるりと回転してアカツキの方に向かう。

そして


いきなりキスをする。

舌を入れたねっとりとしたキスを。




この時から新たな悪行の種は撒かれた。


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