第29話 ピエロのマスク

体育館の裏。歴代のヤンキー、やんちゃなヤツはそこでタバコを吸ったり、またイケナイものを吸ったりしているらしい。今日に限っていないものかと思ったがガヤガヤと声が聞こえる。人数的に5、6人といった程度だな。


「よし。行くか。」


「ニンゲン。」


「何だ?」


「マスク似合ってるよ。犯罪者みたいで!」


「あっそ。」


犯罪者。もう軽い罪は何度も起こしてるんだ。次のステップに上がる段階なんだろう。

バットを一振りしてから裏へと向かう。



「あ?何だ?お前?」

「ピエロのマスク?」

「ハロウィンは過ぎたぞ。バカ。」


「バカはてめえらだろうが。」


「あ?」


目の色が変わる。


「その声、いつものツレじゃねーな?何の用………」


近づいてきたそいつをバットで吹き飛ばす。吹き飛ばされたそいつは壁にぶつかる。


「この野郎!」


次々に襲いかかってくる男共をバットでボコボコにしばいていく。血が飛び散る。オレのか相手のかよく分からない。


「このクソが!」


1人残った男の拳が顔面にクリーンヒット。後ろに吹っ飛ぶ。

近づいてきたそいつ。


「おぉ………お前何のつもりだ?何のつもりか知らないが顔だけは拝ませてもら、痛……」


「ゼェゼェゼェゼェゼェ……………」


「危なかったね?ニンゲン。それは?」


「スタンガン。落ちてた。悪運だけはまだあるみたいだな。」


ボロボロになった体を起こす。骨折れたか?初めて喧嘩した。


「死神。オレ初めて人と喧嘩した。殴り合いした。」


「いいじゃん!記念日だね!めでたいね!」


「めでたくないけど………喧嘩したらポイントは10くらいは増えるみたいだな………まだまだ考えの余地はありそうだ。」


「その前にニンゲンが死ぬかもね?」


「死ぬと分かったならその場で人殺してやるよ。」

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