第28話 クズを超えるクズ
監視カメラがこちらを見つめている。
「なぁ、死神。」
「ナニ?ニンゲン。」
「あの監視カメラ壊したいんだけど力貸してくれるか?」
「どんな力?」
「俺がバットを放り投げるからそこに力加えて軌道修正して監視カメラぶち壊してくれ。」
「いいよ~。けどポイントは」
「いらないからいくぞ。ほれ。」
投げたバットは軌道修正を死神がしてくれてパキッと折れるくらいまでに監視カメラを壊した。
「ないす」
「ま、こんなもんよ。」
死神はドヤッ。という顔を見せる。美少女だから様にはなるな。
「じゃあ割るか。いくぞ。」
パリン。と割るガラスの数はいつもの倍以上。いつも以上に割りまくった。飛んでくるガラス破片も何のその、割りまくるカオル。
そして。
「おぉ。派手にしたね~。」
辺り一面がガラスだらけになっていた。
「明日どうせバレるんだ。やるだけやる。他行くぞ。」
「あいよ。」
「車?車もボコボコにするの?」
「ボコボコよりもっとパンクさせておこう。全部そっちの方が地味に嫌だろ。」
「地味にやだねー。確かにやだやだ。」
針を手にタイヤをパンクさせていく。それは業務的だった。もう悪意はない。悪意など今は捨てている。
「よし。全部オッケー。」
「おぉ。悪行ポイントたまってる。たまってる!」
見るとポイントが173となっていた。かなり増えているがまだまだ何だろうな。だからやるしかない。
「これで今日は終わり?する悪行は全部した感じ?」
「いや、まだだ。」
「何それ?」
「倉庫で拾ってきた。ピエロのマスク。」
「それでどうするの?」
「ピエロのマスクをして行きたい場所がある。」
「何処?」
「うちのヤンキーがたまってる場所。体育館の裏。そこに行く。」
「何しに?」
「言わなきゃ分からねーか?
殴りにいくんだよ。急に殴れば悪行ポイントもたまるだろ。いくら相手がクズでも。
クズを超えるクズになればいいんだろ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます