第27話 汚れた手でしか救えない
カオルのネジが外れた瞬間だった。
「お!ニンゲン!遂に気づいた!?1度大きなことを起こせば莫大なポイントがたまってチマチマチマチマポイント何ポイント?って聞かなくてもいいことに!」
満面の笑みの死神。まるでその言葉を待っていたかのような。いや、待ってたんだろう。こうやって潰れるのを待ってたんだろう。
「けど殺す、って言っても色々あるだろ。もう一回ルールを聞かせろ。」
「いいよーん。殺す、殺してポイントになる対象となるのは悪いニンゲンではないこと。つまり一般的には悪いニンゲンと判定されていないニンゲンが対象だよ。だから犯罪を犯してるとかヤンキーだとかそういうニンゲンは対象外だね。綺麗なニンゲンを殺す。品行方正なニンゲンを殺す。そうまるでニンゲンにずっと近づいてきてくれるあの女のニンゲンみた」
「分かった。分かったからそれ以上話すな。」
死神はニヤニヤとワクワクが混じった顔を見せる。
「で、誰を殺す?誰にする?」
意気揚々と聞いてくる。
「まだ分からない。決めてない。けど1つ決めたことがある。」
「何?」
「オレはもう戻れない所まで行こうと思う。戻れない、戻れない場所まで堕ちようと思う。」
「それはどういうこと?」
「監視カメラもお叱りもどうでもいい。もうやるだけやる。この学校で一番悪くなってやる。その後に、殺すか決める。」
「なーんだ。まだひよってるんだ。」
「ひよってねーよ。学校で一番悪くなるって言ってるんだよ。もう後にはひかないからな。お前も手を貸せよ。」
「出来る限りするよ。ニンゲンが学校1の悪行ニンゲンになれるように手伝うよ!」
はぁっ。と1つ呼吸をし白い息が出てきて即座に消える。
学校1の悪行ニンゲンになる。取り返しがつかないかもしれない、汚れた手になるかもしれない。だけど死神の言葉で分かった。汚れた手じゃないと自分の犯した過去は拭えない。だから、ごめんなリン。
お兄ちゃん悪い子になるよ。
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