第23話 ワルガキ

カオルは放課後あのガラスを割った場所にいた。ガラスの破片は回収され綺麗になっているがガラスで破られた窓はそのまま。


「ニンゲン。どうしたの?何か睨んでさぁ」


「あれ。あれ見ろ。もう取り付けられてる。監視カメラ。」


まだ完全に設置した訳ではないが監視カメラがそこにはあった。


「アカツキの言った通りかよ。」


「アカツキ?あ~、あのニンゲンか。あの女子は使えそうだぞ?ニンゲン。使うのも手だ。」


「まぁ、使い方を考えたらな。」


変人の使い方なんて中々難しいだろ。


「さてどうするか。もうガラスでポイント稼ぎは出来ないな。」


「かといって人を殺す勇気もないんでしょ?」


「勇気じゃねーよ。越えたらダメな境界線を守ってるだけだ。ただそれだけだ。」


「ふぅ~ん。そう。」


何か言いたげな死神。笑っている。だが言わない。言わなくても大体何が言いたいかは分かる。


「なぁ、死神」


「なんだい。ニンゲン。」


「人のランクとかって悪行のポイントに影響あるのか?」


「例えば?」


「校長や教頭を殴るとか。」


「なるほど。確かにこの学校においてそのニンゲンはカーストが高い。だからポイントも上がるはずだよ。」


「そうか。なら」


カオルは歩き出す。


「校長と教頭の車ボコボコにしてこよう。教員の場所はまだ監視カメラついてないだろ。」


「ニンゲン。」


「あぁ?」


「私が言わなくても悪行出来てるじゃん?もう立派なワルガキだよ。ニンゲンは。」


「ワルガキで済むのかな。今からやることしたら」


「さぁ、未来は分かんない。」


「けど死神俺の死期はまだ出てないんだろ?」


「出てないね。」


「ならいい。死ぬまで足掻いてやるよ。」


「フフッ、ニンゲン。私は楽しいよ。ニンゲンに出会えて。」

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