第22話 アカツキ

昼休みになった。冬だが外は晴れ晴れとしていて気持ちが良かった。そんな屋上に1人の女子生徒がやってきた。


「見つけました。カオル様。」


「様はやめろ。アカツキ。」


小さな身長のこの女子、アカツキ、と呼ばれるこの女子はこんな見た目にも関わらず


「こんなところでサボりですか?この頃屋上使用率高くないですか?」


「うるさいな。いちいち。お前は。ホントにお前は人のそういう粗捜しが好きだよな。」


「粗捜しではありません。観察です。」


この女子は学園変人の1人 人間観察を生業とし認可されていないが情報家をしていると自分で自負している。


「でなんだよ?何かようか?教室に帰れとかそんな感じか?」


「ではありません。わたくしアカツキ、カオル様に耳寄りな情報を持ってきました。」


「別に欲しいなんて言ってないが?」


「貰えるモノは貰うのが筋ですよ。いきます。今日、朝臨時の全校集会がありました。話題は近頃頻繁に起きているガラスや爆破などの危険行為について。先生方は監視カメラをつけることでこの状態を改善しようとしていました。」


「監視カメラ………」


「耳寄りな情報を持ってきましたでしょ?」


「何でそれが耳寄りな情報になるんだよ?俺にとって。」


「手の傷それ何処で怪我されたんですか?何故この頃屋上にいるのですか?サキさんとの話を聞きました。スイッチ持ってたんですよね?何故、この頃になって空気を卒業したんですか?」


畳み掛けるように話すアカツキの言葉。


「まぁ、全て根拠のない私の仮説ですがね。仮説ですが近頃少しカオル様の様子がおかしいなと思っているのです。まぁ、私は知られての通り変人と揶揄されていますので誰も私の言葉に耳を貸さないのでこの仮説をいう人もいませんが。」


耳元に近づき


「楽しいことなら私も混ぜてください。」


といって彼女は消えていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る