第17話 ダイナマイトと不穏な影

放課後。ある場所へと脚を運ぶ。そこは


「死神」


「はい!なんでしょ~!」


「お前が何でここを知ってるんだ?」


そこはこの学校の悪の溜まり場。

つまりヤンキーどもの巣窟だった。


「あそこからクズの匂いがしたんだよ!クズは匂い濃いからね!」


指差す木造のボロボロの倉庫は1ヤンキー達が溜まり場として使いアレをヤッてるとかヤッてないとか色々な噂がある。


「あの倉庫壊そうよ!」


「壊す?何で?」


「すぐに壊さないと目立つから私にいい考えがあるよ!」


「何だよ?」


「じゃじゃーん!」


「何それ?」


「ダイナマイト。」


「は?」


「ダイナマイトだよ。」


聞き間違えじゃない。確実に言っている。


「ダイナマイトなんてこんなとこでしたら………」


「スッゴいバレるね。けど証拠は残さないよ。そこは安心して?」


「安心って…………」


「大丈夫。人を殺す訳じゃない。ただボロボロの倉庫壊すだけだよ。それだけ。」


「……………」


「のる?この悪行?」


「何ポイント貰えるんだよ。」


「分かんないよ。けど沢山貰えるよ!」


少し考えた後


「…………やる。さっさとセッティングするぞ。」


「おーけい。なら準備だ!」


そう言ってダイナマイトを倉庫に投げ入れる死神。


「はい。これボタン。これを押せば爆発だよ?」


「………………」


「さぁ、爆発させよう!3 2 1!」


「……………っ。」


無心で押したそのボタン。そのボタンとともに学園に広がる爆発音と悲鳴。それを聞きながら…………カオルは帰路へとついた。




「カオル……………?」


私は見てしまった。カオルが何かボタンを押すところ、そしてその後学園に響き渡った爆発音と悲鳴……………


「まさか…………ね…………」


とは思いつつサキの心臓は跳び跳ねていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る