第18話 幼なじみというだけの糸

悪行ポイントを見る。さっきまで15ポイントだったポイントが………


「65になってる………」


「凄いじゃん!65ってヤバい!1日で65ポイントって凄いよ!凄いよ!凄いよ!」


「死神に褒められてもなぁ。」


「褒めはしっかり受け止めてよ。」


パチパチと褒める死神。


「今頃学校どうなってるかな。」


「まぁ、大騒ぎでしょ!爆発したんだし!にしし!」


「人は死んでないのか?」


「人死んでたらもっと悪行ポイントあがるよ?死んでないよ。」


「あっ、そっか。何だ。死んでれば良かったのに。」


口から出たその言葉に一瞬で口を塞ぐが死神は笑ったまま。


「考え方変わるでしょ?ちんたらちんたらこんな爆発とかするだけで50ポイントだーって喜んでも結局一番早いのは人を殺すこと。分かったでしょ?1日で気づいたでしょ?」


「気づいても別に俺は殺しはしない。」


「ガラス割って爆発までしたのに?」


「誓って殺しはしない。」


「ふ~ん。それがいつまで続くかだね。」


「リンのためだ。俺は殺しはしない。」


「てかささっきから誰かに見られてるよ。」


「は?」


公園を見回す。誰もいな


「サキ………」


「あ、幼なじみの可愛い子?」


「何でアイツが………」


「可愛いは否定しないんだ?」


ニヤリと笑う死神。

サキは幼なじみで身長は一般的なサイズ、童顔で優しく誰にでも分け隔てなく話す学園のマドンナ的存在。

そんなマドンナとカオルを結びつけるのは幼なじみというたった1本の糸のみ。だがその糸をサキは何故か大事にしているようで。


「カオル………ちょっと話しない?」


「何だよ?お前と一緒にいるとこ見られたらまたあのブスが来るだろ。めんどくせぇんだよ。」


「アヤノにはしっかり言っておいたから大丈夫。大丈夫だから。」


「それでも俺とお前じゃ格が違うだろ?だから帰る。」


「幼なじみじゃん!」


「幼なじみなだけだろ。」


「……………私さっき見たよ。カオルが何かスイッチ押したの。」


「…………は?」


「さっきの爆発………カオルがしたの?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る