第13話 作戦は明日。最初の悪行。

その日父は帰って来なかった。

居酒屋で酔っぱらってるのかどっかで酔い潰れてるのか知らないが帰ってこなかった。

別に俺にとっては構わないことだった。

そのまま死んで………とまでは言わないでおこう。

風呂を沸かす気力もなくシャワーで体を洗いコンビニで買ってきた弁当を食う。そして自室でスマホをいじっていると………


「や」


「何のようだ?」


「え、ビックリしないの?ビックリしてよ?」


「ビックリする体力もない。」


や、といって部屋に出てきたのは


「死神だよ!」


「知ってる。」


「キミさ~、感情薄いよね?そーゆーの良くないよ?」


「死神にレクチャーされることなんかねーよ。」


「まぁ、確かに!アハハ!」


「で、うるさいんだけど。何の用?」


「え、私ここに住むから。」


「は?」


「あ、押し入れで充分だから。」


「じゃなくて何で家にいるんだよ。」


「後々楽になるから。」


「住む場所無いからここに来ただけじゃないのか?」


「まぁ、それも一理ある。」


「お前は他の人間には見えないのか?」


「基本見えない。」


「基本?」


「ごくたまに見えるかも?」


「ふわっとしてんな。」


「まぁ、ともかくよろしく。」



変な話だが死神との同棲が始まった。



「で、さ明日なんだけど学校行くよね?」


「行くけど。」


「キミは学校ではどんな立ち位置?」


「空気。」


「お~それはいいね!バッチリ!」


「バッチリ?」


「明日、悪行をしてみようよ。朝早く起きてさ。」


「朝早く起きる意味は?」


「ある!あるから!色んな悪行をしてポイントじゃんじゃん稼いじゃお!」


「あっそ。」


「だから早く寝よ!おや~!」


「めんどくさいヤツ。」


「あ、そうだ。キミ。」


「何だよ。」


「お父さん殺しても妹ちゃんは生き返るからね。ウフフ。」


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