第11話 甘ったれんじゃねーぞ

「毎度あり~じゃあこれあげる!」


そう言うと死神は何か目盛のついた時計のようなモノを手首につける。


「なんだこれ。」


「これは悪行のポイントがわかりやすく表示できる機械だよ?これで悪行をしたらポイントがたまっていくんだよ。」


「何ポイント必要なんだよ?」


「いわなーい。」


「は?」


「言ったらつまんないじゃん?言わないでたくさんポイント集めてね?」


「クソみたいなヤツ」


「死神だからね。あ、あと私のことは死神って呼んでくれたらいいからね。分かった?」


「あぁ」


「あ、もしかして名前とか知りたかったりして?」


「別に知りたくねーよ。死神の名前とか。」


「あっそ。可愛くないね?」


「可愛さなんか求めてないから。」


「じゃあ、ほい。」


「何だよ?」


手を出してくる死神。


「握手だよ。久々のお願い叶える人間に会えたからね!よろしく~!」


「馴れ合うつもりはない。」


が握手はする。


「もう1度確認だけど君の願いは事故で死んだ妹を生き返らせるだよね?」


「そうだ。」


「さっきも言ったけどそれには果てしないほどのポイントが必要だからね?覚悟しなよ?」


「分かってる。」


「そんな君にもう1度だけ。

人を1人殺せば妹ちゃんは生き返るよ。

君の知らない人を殺せばそこで妹ちゃんは生き返る。君の願いも叶う。」


「だが俺は犯罪者になる。」


「当たり前でしょ?人を殺すんだから。」


「俺はリンと穏やかに過ごしたい。だから人を殺すなんてそんな………」


「甘ったれんなよ。」


「は?」


死神の語気が変わる。


「人を生き返らせることがどれほど難しいことか分かるか?穏やかに過ごす?そんなこと出来る訳ない。君の行く道は地獄だよ。穏やかになんて過ごせやしない。だから甘い考えは止めな?」


「人を殺す以外にも方法はあるんだろ?」


「あるけどそれは君の今後の人生に大きく影響することになるよ?それでも」


「俺に今守るべきモノは何もない。

俺が明日死んでも悲しむヤツは1人もいない。

そしてそんな人生をこれから長く歩もうなんて1ミリ足りとも思っていない。だから、俺は何だってする。もし………本当にその時が来るなら

俺は人だって殺せる。」


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