第10話 ターニングポイント
「話は、いや噂は聞いてる。悪行をすれば願いを叶えてくれる死神だってのは。」
「あ、そう。なら話は簡単だね?君には悪行をしてほしい。」
「悪行?」
「悪行は悪行さ。昨日君がしていた線路に無断で入って歩く、これも悪行の1つだよ。その悪行のポイントに合わせて君の今身につけているゴムが復活したんだよ。」
「ちなみに聞く。俺の願いが金持ちになりたいって願いだった場合悪行はどれくらいすればいい?」
「金持ちになりたい!っか~。死神の世界にはお金の概念がないからまぁ少しの悪行で叶えてあげられる楽な願いだと思うよ?」
死神はくるくると回りだから落ち着きなく喋る。
「じゃあ………俺の願いが………
死んだ妹を甦らせること、だった場合悪行はどれくらいすればいい?」
死神はくるくると回るのをやめこちらを見つめる。
「私は死神。人の生死を操れる存在。そしてそれを管理する存在。人には絶対に死ぬタイミングがあってそれは絶対に決まってる。それは私たち死神が決めているの。だから死んだ人間を生き返らせる、この願いの重さは君でも分かると思うんだ。」
「どれくらい………俺の手が汚れればいい?」
「そうだなぁ。まぁ、一番分かりやすく言うなら
人を1人殺してみな。
そうすれば妹ちゃんは生き返らせてあげるよ。」
「人を………1人………」
「誰でもいいさ。周りにいる誰でも。けど犯罪者はダメだからね?罪無き人間を殺してこその悪行だから。」
「………………殺し以外にも方法はあるのか?」
「あるよ!けど長いしめんどくさいよ?それでも、やる?」
ここがターニングポイントだって分かってる。ここで断ればいつもと変わらぬ日常のまま、ここで了承すれば全てを失うかもしれない。
だがもう答えは決まっていた。
「やるよ。リンを生き返らせてやる。」
クソみたいな人生を壊してやる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます