第7話 信じるか信じないか。
「やぁ。ニンゲン。君は死神を信じるかい?」
顔立ちのよい少女はそう語った。聞くまでもない。コイツは死神だ。
「信じるも何もお前今噂の死神だろ?」
「お、私も有名になったモノだ。噂になっているのか。それはめでたい。」
「何がめでたいんだよ。」
「私の力がニンゲンに知られることになるなんて素晴らしいことじゃないか!」
ニヤつきながら死神は言う。
「何だっけ?願いを叶えてくれる死神だったっけ?」
「そうだ。私に叶えられない願いはない。」
「だったら俺の願いも叶えてくれるのか?」
「内容によるなぁ。」
「………………」
少し考えた後、やはり俺は。
「やっぱりいい。」
「何だ?叶えないのか?」
「お前が死神だって証拠も願いを叶えてくれるって証拠も何にもないのに叶えてなんて頼めない。」
「う~ん?それは私を愚弄しているということか?」
「信じれないものを信じないで何が悪い。」
俺の言葉を聞くと死神は
「アハハハハハ!」
笑った。
「何だよ。何笑ってんだよ?」
「ニンゲン。貴様は賢いな。だがその賢さ故に色んなモノを失ってきた。」
「………………」
「家族の温もり、母の愛情、父の愛情、そしていも」
「うるさい!」
「聞きたくないか。ホントのことを言われて声を荒げるしか能がなくなったか。」
「お前………いい加減に………」
「そうだ。私から1つ勝手に願いを叶えてやろう。」
「は?」
「それで貴様も信じるだろう。う~ん。何にしようか…………そうだ。」
ポンっと死神は手を叩く。
「ニンゲン、貴様の部屋の勉強机の中を帰ったら調べろ。そこに良いものを置いておく。」
「はぁ?ちょっと待てよ。」
「慌てるな。私はいつもここにいる。会いたければまた来ればよい。では。」
竜巻のような風が舞うと…………
そこに少女の姿はなかった。
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