6.小屋の中で

パチパチと火が燃える音がする。


目を開けると、私はベットの上に寝ていた。体を起こそうとしたが、動けない。


私がベットの上でもがいていると、右から声がした。


「お、やっと起きたか。」


見るとそこには短いローブのようなものを着た、鋭い目つきの女の人が立っていた。髪は茶色く、赤い綺麗な瞳をしていた。


その人はニカッと笑って、


「危なかったな。あとちょっとでも私が遅れていたら死んでたぞ。」


そう言うと、鞄の中から大きな真っ黒な毛皮を見せてきた。どうやら私はこの人に助けられたらしい。


「助けていただいて、ありがとうございます。」


「いいって。私の名前はブルーム・ヴァン・デ・モーレン。調査団の一人としてあの村にきていたんだけど、ちょうど君がモンスターに襲われそうになっていて助けたんだ。」


そういって、私の頭をなでてきた。


「そういえば君の名前は?」


「フィオラっていいます。」


「そういえば、なんであんなところにいたんだ?あそこはもう人はいないはずだよ。」


「どういうことですか?」


するとブルームさんはこんなことを話してくれた。




もともと私がいたところはたくさんの行商人が行き交った、とても栄えた街であった。しかし、あるときから未知の病がはやり、あっという間にほとんどの人が亡くなってしまったそうだ。残った人々も生きるために他の村や町に行ってしまい、今では誰も住んでいないという。




「その未知の病っていうのが魔力がだんだんとなくなってしまう病気でな。魔力が全てなくなってしまった瞬間死んでしまうんだよ。しかし、原因も対処法も分からない。だからこの病が広がってしまう前に調査を行おうということで国から派遣されたんだ。」


そう言うと、ブルームさんはコップのコーヒーをすすった。


「そういえば、ここはどこですか?」


「ここはあの場所から少し離れたとこにある拠点の一つでね。もう少し歩いたら港町につくんだ。でも、君の体調が良くなるまではここにいるつもりだよ。」


「すみません、ご迷惑をおかけして…。」


すると笑って、


「君、まだ小さいのにそんなにかしこまらなくていいよ。それに君のことやあの村のことも詳しく聞きたいしね。」


そうしてブルームさんはまた頭をなでてくれた。そして私はまた眠りに落ちた。

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