5.家の外

目が覚めると、体がすごくだるかった。頭もすごく痛い。体調不良かなと思いながら、重い体を起こし、キッチンに向かった。


一階に降りると、まだコンロの火は消えていなかった。火事にならなければいいなと思いながら、昨日と同じようにパンにお肉とチーズをのせて食べた。


今日することとしては、家の外に出て、雑草でもいいので食べられるものを探すことである。パンを食べ終わった後、身支度を整え、私は玄関のドアを開けた。




ドアを開けた先には何もなかった。何もないといっても、草木や建物などはある。建物もあるにはあるが、人が住んでいる風ではなく、とても寂れていた。


おかしい、と思いつつ私は外へ出た。今日の空は雲が多く異様に薄暗い。近くを歩いて分かったことがある。人が全くいない上に、動物もいない。私一人だけがこの世界に取り残されたような気がした。


少しして私は何かが後ろにいるような気がした。しかし、振り返ってみても何もいない。だんだん体調も悪くなってきたように感じる。私はいったん家に帰ることにし、歩いてきた道に振り返った。


しかし、その先には見たこともない真っ黒な不気味な動物のようなものが1体いた。距離にして50mくらい。その動物のようなものは少しずつ距離を縮めてきていた。


やばい、逃げなきゃ、と思い走ろうとしたが体が動かない。頭も割れるように痛い。私はしゃがみ込んでしまった。その瞬間、その動物のようなものがこちらに急接近してきた。


まだここに来て2日しかたってないのに、もう死んじゃうのか。そう思いながら私はぎゅっと目を閉じた。

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