3.魔法の適正

部屋に戻ると、私は早速『魔法書初級・中級・上級』を開けた。


最初のページには、自分の適性魔法を調べる方法について書かれていた。魔法は火、水、土、木、風の五つに分かれており、相性によって使えない魔法もあるらしい。そういえば、フィオラは雨を降らしていた。もしかしたら、水の魔法の才能があるかもしれない。


まず、火の魔法の適正を調べてみることにした。


『まず、火が付いたろうそくを用意し、手をかざす。そしてろうそくの火が大きくなるイメージをして、火力が大きくなれば適性がある。』


ろうそくに火をつけ、手をかざしてみた。しかし、何にも変化しなかった。


次に、水の魔法の適正を調べてみることにした。


『コップに半分くらい水を入れる。そして手をかざして、コップに水が満たされるイメージをして、水かさが増えれば適性がある。』


魔法はイメージが大事らしい。コップに水を入れ、手をかざしてみた。そうすると、コップの水は少しずつ増えていき、コップに水が満ちた。


その後、土、木、風の魔法の適性を調べてみた。その結果、水、木の魔法の適性があることが分かった。そして、ページの下の方にこんなことが書かれていた。


『もし魔法の適性がなかった場合、魔力を持っていないということになります。魔力がない人は世界に3%ほど存在します。』


その後に何も書いていなかったが、もし魔力がない人はどうこの世界を生きていくのだろう。そんなことを考えながら、ページをペラペラめくっていたらおなかが鳴った。今気がついたのだが、胃の中に何も入っていないくらいおなかが減っている。そういえば、フィオラの死因って餓死じゃ…。


私は急いで一階のキッチンに向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る