第2話

「リティ、本当に大丈夫?目の下、クマできてる」


「大丈夫。大丈夫だから…」


あれから嫁達のせいであまり眠れなかった。


「今日は家に帰った方がいいよ」


「これの原因家の奴らだからね」


「じゃあ、ここで、ゆっくりして」


「でも…」


「いいから」


「…。じゃあ、お言葉に甘えて」


「うん」


ま、アイツもああ言うんだし


「今日は寝るか」


夕方頃


「よく寝た」


「そのようで」


ウィルはこの時間まで、クエストをしていたらしい。

その成果もあり、ウィルのランクが一つ上がった。


「悪いな。お前ばっか任せて」


「良いの。で、寝不足は?」


「まだ、寝足りねぇぜ」


「そ。じゃあ、明日はビシバシ働いて貰うから、今日は早めに寝てね」


「そうする」


「じゃあ、」


「ま「また」」


「あっ、」


被っちまった。




夜7時。

「すぅー。ふー、すぅー。ふー、」


「フレム君、ぐっすり寝てる。可愛い」


「フレムお兄様の寝顔を拝見させて貰っても大丈夫でしょうか?」


「ダメ。今日はゆっくり寝させてあげよう」


「そうですね。賛成です」


早朝。


さて、起きるか。

俺は、装備などの準備を済ませ、出かけようとする。


「フレムお兄様!」


「なんだ?」


「何処へ出かけようとしているのですか!?」


「冒険ギルドだよ」


「私も行きたいです!そして、フレムお兄様の勇敢なお姿を見たいです!」


「駄目だ。ティル、頼んだ」


「かしこまりました」


「ちょ、ティルさん!邪魔しないでください!」


俺は気にせず行った。


「よっ」


「早いわね」


「そちらこそ」


「さて、早速クエスト行くよ」


「本当に早速だな」


数十分後

「よし、クエストクリアしたし、帰るか」

「そうしましょう」


「あれ?上に飛んでるの何?」


「…。ドラゴンか?」


「マズイ!あのままじゃ、街に向かって行く!」


「おい!待て!」


「エルクティクガン!」


電気砲はそれに当たる。


「やった?」


「ウィンド!」


俺は、瞬時にウィルを退かし、前に炎の壁を作る。


「ウォールオブフレムズ!」


「甘い!」


「!?」


それは一瞬にして消え、そいつの姿が顕になる。


「お前、誰?」


「おい」


いや、わっかんねぇ!

誰!?コイツ!普通のおっさんじゃねえか!


「我は魔王である」


「へー」


「今すぐ殺してぇ!」


「大丈夫?」


「殺すぞ」


ごめんごめん、メンゴメンゴ。


「まぁ、良い。我は世界を支配にしに来た!」


「止めとけ!」


「えぇ!?」


「止めろ!俺の城にお前より強いやつがいるんだぞ!」


「そいつバグってるだろ!」


「俺もそう思うよ!」


「余計に分からん!」


と襲ってくる。


「ウィンド」


「吹き飛ばされそうだ」


「そんなまさか」


「さて、本題に戻るとしよう」


「お」


「俺もう、帰ろっかな?」


「多分その方が良いと思うんだけど」


「何てな」


「!?」


「ブースト!」


「何!?」


「ハハハ!」


「クソ!」


「おっ!丁度人間がいるのでは無いか」


「セイン!?」


「貴様が最初の死者だ!」


「止めろ!殺され」


「ライトソード」


ザシュッ!


「がっ、はっ!」


小説『平凡貴族の転生談』[完]

作者なゆお 先生

出演

フレム・リティア セイン・リティア

ティル・リティア シリア・リティア


「ちょ、ちょ、待て、エンディングまだ早い!」


「えっ?普通魔王倒したら終わるものじゃないの??」


「ちょ待て!まだ、計画してる、ストーリーがまだ!あるのに!」


「えっ…」


「とりあえず…。終了!」


ババン![完]




そんなわけもなく。

俺はあの後、ウィルが大丈夫かを確認し、

ウィルに


「魔王はどうしたの?」


と聞かれたので、


「魔王討伐した」


と言ったら、


「…。魔王、討伐したとは?」


この反応である。(もちろん普通の反応だが。)


「その通りだ」


「いや、えっ?ぇ?」


まぁ、魔王討伐したっていきなり言われたら頭ごんがらごるよな。


「誰が?」


「この女の子。セインさんでーす。パチパチー」


「…。セインって、あの、神の子の!?」


「えぇ。そうですよ。よろしくお願いします」


「リティ、この子と知り合い?結構、仲良い感じだけど…」


「まぁ、そうだな…」


「す、凄いね。まさか、貴族に知り合いがいるなんて…。あっ。セイン様。魔王を倒す時、ものすごく大変でしたでしょう。きっと、物凄い激闘でしたでしょう?」


「いや、一撃だよ」


「一撃?」


「そうなの。すごい弱かったよ。ね、フレム君」


「いや、んな訳無いだろ」


「す、凄い。あれ?フレムって…」


「あっ」


「えっ?」


「やらかしたー。まぁ、良いか。どうせ教える予定だったし」


「???」


「俺は、貴族のフレム・リティアだ」


「えぇ!?」


驚きだ。こんな驚くなんて。


「なら、私も言わなくちゃね」


「何だ?」


「私も貴族なんだ。私の本当の名前は、

ウィール・ロストレア」


「へー。本当の名前そう言うんだ」


「…えっ?」


「何だ?」


「えっ…。驚く所じゃないの?」


「属性からして、貴族だと思ったけど名前に覚えが無かった。けど女の子で歳近めのお前の名前に似てる名前を探してこれだと思った人と同じだったから今自分の探す力すげぇなって思ってる所」


「…キモ」


「酷」


「いや、キモイ」


「酷」


「頭痛い」


「帰って休め」


「わかった」


「じゃあ、」


「ま「また」


「あっ」


「「また、被った」」


「…。」


「ぷっ。はは、」


「、ふふふ」


「決めるよ。相棒」


「おう」


「じゃあ、」


「「また」」


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