第二章「婚約者増加編」

第1話

結婚式場。俺達は純白に身を包み、今まで歩いてきた、日々を振り返るように、俺達の小さい時が映る。

そこに俺達。-俺と、ティルは横に並んでいた。


「これから、フレム・リティアと、ティル・ロイヤルの結婚式を始める」

(何でこうなった…。)


1週間前。



「俺とティルが婚約?」


「そう。どうやらティルのお父様が、勝手に式も場所も時間も決めたらしいわよ」


「何で…。そう言えば…」


国守に入りたく無い時のやり取りを思い出す



『「お父さん!?」


「うむ、そうじゃ。お義父さんだ」』


あの時の発言もしかして、お父さんじゃなくて、お義父さんってこと?


えっ?つまり俺とティル結婚してたと勘違いしてたって事?



「で、どうするんだよ?」


「仕方なく了承したわ」


「?」


「貴方達は正式に結婚するの。」


・・・・・・・・


「ええええぇぇぇええええぇぇぇぇええええぇぇぇぇえええええぇぇ!」


「うるさいわね。」


「ちょ!え!えぇ!」


「何よ。婚約者の一人や二人いたっていいじゃない」


「良くねぇよ!法律はどうした!?てかティルのお父さんにそれ言ったのかよ!」


「あら?そんな法律、王族の手にかければいくらでも変わるわよ。それに、ティルのお父様にこの事をお話したら、OKしてくれたわよ」


「すんなよ!」



「良いから。ティルに言ってきなさい」


スタスタ…。


「エイム」

狙うは頭。


「フレムエルティクガン」


それは、本気のものだった。

…が。


「ウォールオフサンダー」


「!?」


「どこでそんなの覚えてきたのよ」


気が付くと、母は後ろにいた。


俺は「そこら辺で」


と、適当に返し、ティルに報告に行ってきた。


「と言う事で、結婚する事になった」


「…」


俺は 、ティルとセインに言っている。


「これは、多分断れない」


「…」


「ティル…?」


「セイクレットトラーション」


「ちょ、ちょーい」


「何ですか?」


「結構本気目だね。俺はもう、諦めた」


「私、本気で家族に怒るかもしれません」


「ん。行ってらー」


ガチャ。



「セインはどう思う?」


「まぁ、いいじゃない」


「ぉぉ、ちょい怒かな?」


「ちょと、怒ってる」


「はは、ごめん」


と、俺はセインの頭を撫でる。


「フレム君はズルいよ」


「えっ…何で?」


「もう!いいよ!プン!」


「何でだよ〜。よしよし」


頬を膨らませてるセインを撫でやる。

その時、ティルがちょうど、来た。


「無理でした」


「だろうな。俺も全力でぶつけたのに」


「母は強し何て言いますからね」


「何だろう?母上とセインに勝てる気がしない」


と、婚約が決まったと言われた、


そう、

結婚式が開かれた。


この日、母に式中魔法をぶつけた以外の問題は出なかった。


もちろん、無傷だった。


そのおかげで式は順調に進んだ。



1週間後…。

あれから、何故かセレアとティルのどちらかを甘やかしていると必ずどちらかが機嫌が悪くなるというような事が頻繁に怒る。


俺なんかやっちゃったかな…?

(俺またなんかやっちゃいましたか風)



「誰か!助けて!」


と誰かかいた。

その声にすぐ駆け寄る。


「うるせぇ!騒ぐんじゃねえ!騎士が来たらどうすんだ!」


「お前も騒ぐな」


風魔法で倒して立ち上がれないようにする。


「大丈夫?怪我とか無い?」


「はい…」


「名前は?」


「シリア・ウォード、です」


「もしかして、フリアの妹さん?」


「は、はい」


「そうか…」


だから襲われたのか。多分、身代金用意しろとかだろ。


「じゃ、ウォード家までひとっ飛びしますか」


「えっ…?」


「お嬢さん、捕まっててね」


「え、ちょちょ!」


シリアをお姫様抱っこして飛ぶ準備をする。


「ウィンド!」


「きゃー!」




空を飛んで行く。


「空、空を飛んでいます!」


「ちゃんと捕まっててね」


「は、はい!」


「おっと」


風が吹いて落ちそうになる。


「キャー!」


「ごめんごめん。落ちそうになった」


「ほ、本当に大丈夫なんですか」


「…キツイかも」


「な、なら今すぐ安全に着地してください!」


「冗談だよ。それにもう着いたよ」


「は、はい。あ、ありがとうごさいました」


「どういたしまして」


「どうした?フレム様?あれ?何で、シリアがいるんだ?」


「お兄ちゃん!」


シリアは目を輝かして言った。


「私、この人のお嫁さんになる!」


「「えっ、」」


ん?今、何て言った?


「そ、そうか…。フレム様、いや、フレム。妹はやらない。君が拒否しても殺す」


「チョナモワムテオオレモノトニオナトテルムナオンカオルオルオナイ」


「何て?」


「ちょっと俺も何言ってるか分からない

って言ってます。」


「よく分かったな」


「愛の力ですから」


愛が一番だけどこの場合、逃げが一番だ。


「ウィ」「おっと、帰らせませんよ」


「はっや!」


「今夜はご馳走です。私が振舞ってあげましょう。夜は…うふふ。楽しみですわ」


おいおい目にピンク色のハートが出てるぞ。

ヤンデレっぽいから、その目やめといた方が良いと思う。


「そうか…。そうか。フレム。家を開けといた方がいいのだろうが、俺は妹が、心配なのでここにいるぞ」


「帰るわ」


俺はシリアの腕を振りほどき、帰って行った。




「はぁ、はぁ…」


シリアの腕を振りほどく時に体力を使ってしまった。


「疲れてますね。大丈夫ですか?


「あぁ、…え?」


「あ、呼び方に疑問を持っていらっしゃるのですね!実は助けられた時に兄のようなカッコ良さがあったのでそう呼ばせて貰いました」


「いやいやそうじゃないだろ!」


「そうですか?なら、あなた。の方がイイですか?」


「呼び方じゃねえ!なんでここにいんだよ!」


「あら?ご存知でない?私、ワープを使えたのですよ。というか、国守選抜の時に戦ったじゃないですか」


「あぁ…確かに」


第何回か忘れたがワープを使って戦ってきたやつがいたな…。


「ん?つまり逃げようと思えば逃げれたのか?」


「はい!」


俺、助けなきゃよかった。


「しかしてっきり、フレムお兄様が私がワープ出来るとも知りながらも助けてくれたのと…」


このまま蛙化してくんないかな。


「ですが、助けてくれたのには変わりありません!婚約致しましょう!」


「あら?これはどういうことかしら?」


「!?」


しまったこんな時に1番来て欲しくない奴が…!


「母さん…」


「フレム。この子は?」


「どうも!お義母様!私はシリア・ウォードです!フレムお兄様に求婚を申しております」


「へぇ…?フレム。アンタやるじゃない。こんな可愛い子連れてきて」


「違っ!」


「ごめんね〜。この子他に2人も婚約者がいるの」


「母さん…!」


俺の事を助けようと…!

ありがとう!


「それでも!私はフレムお兄様の近くにいたいんです!」


「フフフ。その言葉が欲しかったわ」


「えっ?」


カアサン…?ナニイッテンノ?


「フレムと将来に関する話をするから明日…遅くて明後日には返事をするわ」


「…!?ありがとうございます!」


そぅ言いながら綺麗な礼をして帰って行った。


「さて、今回はフレムが悪いわよね」


「そうだな」


母にそう言われても肯定するしか出来ない俺の行動を改めたい。


そう思った。


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