第4話
王国選抜の日。
『第一回戦、フレム・リティアVSウィール・ロストレア!』
「おおおおおお!」
会場が騒ぎまくってる。
『では、始め!』
開始の合図が出ても、俺は動かない。
相手がどんなもんか、調べるためだ。
「火よ、炎よ、我の敵を跡形も無く、燃やし尽くせ。サンヒットイット!」
上級魔法か。どんなもんだ?
「ぽんっ」
と音がなって小さい火が放たれた。
んっ?小さい炎がこちらに向かってゆっくりと、放たれる。
ええっ?俺は風魔法で消す。と思ったら、
「消せない、だと?」
ひゅん!と銃弾が、顔の横にかすった。
おいおい…。一回戦からこれかよ。
「まるで、レールガンを炎にした感じだな」
エイム。
「フレムガン」
それを、相手の頭に当てる。
勝った時の音楽が鳴る。勝った。
手応え無かったな。怖いくらいに。
あの上級魔法を出してくるぐらいだから、もうちょい粘ってくれるかと。
まぁ勝てたし、良いか。
時は進み・・・。
『第三回戦フレム・リティアVSフリア・ウォード』
まじかよ。
「お手柔らかにお願いします」
「まぁまぁあの、戦いの続きと行きましょうか。まだ、あなたに見せてない特別があります」
「ほう?」
「あなたはこれを耐えれるかな?オスティオン」
直後、辺り一帯全部水で埋め尽くされる。
「これは…!?海か!?違う。これは!」
「津波みたいな感じ…ですかね?」
これをどうしろと?もしかして彼の狙いは!?
「俺を溺れさせるつもりか!?」
生憎、アイツは氷魔術を使えるから津波でも、氷で自分の所だけ凍らせたら被害は出ない…。
「フレム、タイフーン!」
炎の竜巻を回す。
風で水が弾き飛ばせるのと同時に炎で水を蒸発させる。
「ふふ…対抗するなら、強めるしかないですね」
そう言ってフリアが波を強くする。
たが残念だ。
「俺はそこじゃないんだよなぁ」
「!?」
「フレムソード!」
俺はそのままフリアを一切りして…。
『Win!』
勝った。とても嬉しかった。
「ははっ。どうやら、あなたには勝てそうにありませんね」
「俺もお前に負ける自信は無いんだ」
そんなバカな事を言ってから、時間がたった。
そう。セインとの戦いがある。
さっきのでほとんど体力を使ったのに、大丈夫だろうか。
そうして、セインと戦う事になったのだが…。
『決勝戦。フレム・リティアVSセイン・ライセント』
おいおい!これ、俺勝ったら、もしかして国守に入らなきゃいけないの!?
「国守か嫁か」
何が大切で何を一番大切にしたいか。
それは俺自身が決める事だ。
結論は、もう決まった。行こう。
「フレムさん」
「なんだい?」
「私は本気で行きます」
「ふへぇ?」
「エンジェルソード」
それは天使の剣では無くもう神器だよ。
「なら、俺も、本気で、
セイクレットトラーション!」
これから始まる。
最強から平凡貴族への一方的なイジメが。
カァァン!と金属と金属のぶつかる音がする。
-これは、やばい。
なめてた。
「よそ見しない方がいいですよ」
「後ろか!」
天使の剣をギリギリ、俺の全力の神器で守る。
これで並ぶぐらいだ。
クソえげつない。
もしもの時に
セイクレットトラーション【神器】
を隠しておいて良かった。
でも、勝てねぇ。
勝てる訳がない。
「エイム」
狙い俺は手から光の槍を出す。
「ライトスピア」
それを、セインの頭に投げる。
ヒュン!
「遅い」
と言いながらそれを吹き飛ばす。
何て器用な奴だ。
「グッ!ハッ!」
その槍は俺の頭をかする。
打ち返してきた。
やべぇ。
死にそ。
負けたくない。
負けれない。
俺は、やると決めたら、やる男だ。
嫁に負けるわけには!
いかねぇんだよ!
「フレムエルティクガン!」
炎の音と、電気の音が入り交じる。
その、銃弾は神の子の頭に当たる。
たが、
「…フン」
「だよなぁ、」
1発。
やっと1発入っただけなのだ。
「タイフーン!」
「クッ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
攻撃するが、
キィィィ!
という、金属と金属が擦り合う嫌な音しか出てこない。
「本気になりすぎだろ!」
「そんなのしりません!」
「なら分からせてやる!」
「かかってきてください!」
体を回転して攻撃を受け流す。
「…フレム、ソードォォォ!」
足に風魔法をかけ、エンジン全開で突っ込む。
「効きません!」
キン!とパリィした彼女は攻撃態勢に入る。
─来たな。
「カウンター」
攻撃を受け、角度を狙いパリィ。
体の反応機能の死角。
つまりはセインでも反応出来ない数mmを狙う。
「ッ!?」
反応してきた…だと?
だが、そのまま地面に剣を突き立て、
「フレム!」
そう言って地面へとだし、地面の中から外へと、魔法を放つ。
「アツッ!」
2発目!
そのまま行けえぇ!
「フレムソード!」
そして、セインの体を通る。
「勝った…」
『Win!』
「負けました」
「良く、頑張ったよ」
「いいえ、まだ本気では無いです」
「えぇ…」
この子どこまで、やれるんだよ。
「まぁ、俺が代わりに国守に入るよ」
「ですが…」
「いいの。俺も、今は気分が良いんだ」
そう言って、セインの頭を撫でてやる。
そうすると、セインは抵抗も無しに気持ち良さそうに、目をつぶっている。
かわゆい。
それは、全男が、認める事実だった。
「では、フレム・リティア様に優勝したので、国守に入れます」
そう司会が言う
「王族を代表して言う。是非、国守に入ってくれ」
覚悟はもう決めた。だから、俺は成し遂げる。
「嫌です」
「え?」
「嫌です」
「まて、二回も言わなくて良い。何か、特別な理由でもあるのかね?」
そう王族が問い詰める。
明らかな不満と殺意を入れて。
「無いです。ただ、国ではなく、親や嫁の為に僕の家にいたいです」
「そうか…。まあ、それも、一つの手段だ。だが、許されるとでも?」
「いいえ。でも、本音だけは言いたいんです」
「・・・・。良いだろう」
「えっ?」
まさか許されるとは思わなかった。
「嫁と、親は確かに大切だ」
「はぁ…」
「それに、国守には、人数は足りてる。好きに生きるが良い」
「ありがとうごさいます」
「ティルをよろしく頼む」
もしかして、ティルの
「お父さん!?」
「うむ、そうじゃ。お義父さんだ」
文字に何かしら違いを感じたが気にしなかった。
「気づかなかった…」
「娘は…元気か?」
「あなたが言える事か…!」
俺が睨みつけると少し怯えてたがそれでも冷静に答えてくれた。
「わしは平民から王族になった身。だから王に逆らえなかったのじゃ」
セインのような感じか。
「貴殿のように身分や状況に左右されず自分の想いを優先されていたらどれだけ幸せだったか…。いや、もう終わった事じゃ」
「…」
そしてティルのお父さんは息を吸って言う。
「わしの娘を頼む」
「言われなくても」
それは大切な者を守る為の約束であった。
「よく、光陽団に入らないで済みましたね」
「俺が1番驚いてるよ」
「まさかお父様がいたなんて思ってもいませんでした」
「それは俺もだ。だけど入れなかったから良かった」
「…お父様と何を話していたんですか」
「秘密」
「そうですか」
どうやらティルはお怒りのようだ。
「でも、何であんな危険な行動したんですか。私プンプンですよ」
とセインが言う。
「セインが俺を叩きまくったんだろ」
「そ、それはフレム様が国守に入るのなら私が入ろうと…」
「そんなのしなくてもいいよ。セインはもう、俺の嫁なんだし」
「でも…」
「あっ、これから、婚約するんだから、様付けなくていいし、タメでいいよ」
「分かりました…じゃなかった。分かった」
「じゃ、これからよろしく」
「私も、よろしく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます