第3話
「フレム、貴方に婚約者が出来たわよ」
「何それ?聞いてないんだけど」
「そりゃあ言ってないからね」
「いや、何で?」
「最近、ティルといい感じじやない。だから、言いづらかったのよ」
「えぇ…。」
それでも言うべきだと思う。親として。
「で、相手は?」
「やけに、冷静ね」
「慣れた」
もう、何がきても、驚かない。
「相手は、国守選抜の一員。貴族で、ちゃんと光属性を使える子供として生まれた、セイン・ライセント」
「あぁ、あの神童と言われた成り上がりの貴族か」
「でも、国守にはなりたくない。だから、わざと負けたい。だから、婚約者の貴方が倒して」
「何故に!?」
「親から、離れたいらしい。だいぶ困ってるらしいわよ」
「くっ…」
困ってる。その言葉を聞くだけで、助けたいと思ってしまう。俺は困ってる人がいれば、助けるお人好しだ。
「それに、貴方だって国守になりたくないのは分かるでしょ」
「良いよ。やればいいんだろ!」
「そう言うと思って、もう相手を、呼んでるの」
「はぁぁぁぁぁ!?」
手から、炎の剣を出した。火力高め、魔力多めの全力の半分ぐらいの、力で、母に向けようとする。
「ウィンド」
「あっ!」
母が息を吐いただけで炎の剣が消える。
風属性の魔法だ。分かった。
「嫌でも、ちゃんと向き合いなさい」
「急だからやってんだよ!準備とかあるだろ!」
くそ!強え!
いくら最強でも母と、嫁に負けるのは、鉄板のようだ。
「早めのお見合いと思って」
「えぇ…」
俺の幸せで楽な生活は
母の手により、乱されてしまった。
数時間後…。
「初めまして。フレム様。私はセイン・ライセン。神の子として生まれ、皆の平和と幸せを守る為に力をつけてきました」
「というフレーズを言えと親に命令され、約十四年間。まだ、何かしらの称号を貰わないから、王族選抜に行けと親に言われ、それが嫌だからここに来たと。なるほろ」
「出合い頭に失礼ですね。こんなに可愛いですから、ちゃんと相手をしてやってくださいよ」
まぁティルの言う通りだろう。だが、セインは
「なるほろ…?」
前世で喋ってた、バカ語に疑問を抱いている。
「セイン」
「あっ、はい!」
どうやら、俺のバカ語を解析するのに集中していたようだ。
「改めて俺はフレム・リティア。使えるのは主に火、風、そして、一応光。使えるのは光源魔法、擦り傷程度を治せる治癒魔法だ」
自己紹介もした事だし、何を話せば良いのか。
セインは光属性は全て使える。
だから、
『何の属性使えるんだ?』
や、
『光属性の何が使えるんだ?』
は禁句だ。
「何か好きな物ある?」
「人の笑顔」
「いや、そう言うのじゃなくて、好きな食べ物とか、好きな何かとかさ」
「何でしょう?今まで色々食べてきたので、味がどれも、一緒なので、分かりません」
ストレスで味覚も無いのかよ。
やべぇ、話す内容が無い。
好きな事、人の役にたつ事。
好きな物、無し。
得意なこと、光属性。
嫌いな物、不幸。(人々の)嫌いな事、
人々に危害が起こること。
なお、ここまで妄想、で0.13秒
これは、光の速さで、地球を一周するぐらいの速さだ。
「剣術、魔術。どっちが得意?」
「どっちもです」
「この人に俺負けるの?負けれるの?」
「私も、勝てる事が難しいと思ってますね」
ティルさえもこう、言う。
もしかして、最強!?
まさかのセイン主人公説が出てきた。フリアに、苦戦をちょっとだけしたが、セインはそれ以上。
戦っている時に、世界を壊しかせない。そんな事するなと親に言われたであろうとも、身の安全性は保証できなくなってきた。フレムは思う。
はたして本当にセインに勝てるのか、と。
死んでしまうのではないのか、と。
セインが本気を出し、光源魔法をしたら、太陽より眩しい。
数mmの骨が残っていて、それに治癒魔法をかけたら、完璧な人間の完成だ。
光魔法で小電気魔法を使ってしまったら、雷の上級魔法よりも強い魔法になってしまう。
つまり、この作品はフレムがどんどん強くなり、魔王を命からがらに倒した。
それか、世界の危機を起こしてしまうような、魔王ルートに行くわけにも無い。
そう、セインはこの作品のヒロインにして、世界一強い、最強の化け物。
魔王もワンパンでき、本気で地面を殴れば、この星に穴が空くぐらいの力を持っていた。
主人公が無双しない、それも、ヒロインがただたんに強い作品がここに生まれたのだ。
閑話休題。
よし、コイツの、強さについてはわかった。
「一応、聞いとくが王族選抜で負けたい、国守になりたく無いって何で?」
「…私は、元は平民でした」
そうして、セインは今までの事を話してくれた。
「ある日、光属性の魔法を使ったんだす。大切な大好きだった母親を助けるために」
「それは、無意識で?」
「はい。そして魔法、それも光属性を使えたとして、すぐに貴族になりました」
きっと、驚いた両親が平民から貴族へなれるような役所に行ったのだろう。
「一瞬何が起きたのか、分かりませんでした。立派なお屋敷、王族達の生ぬるい目に、不快な思いを抱きました」
見るに、セインは俺と同い年。
そんな年頃の女の子が生ぬるい目なんかで見られたら、王族を支える国守なんかになりたくないよな…。
「王族にならないかと、言われました。でも、ちゃんと国守選抜に勝ってからと言いました。これは少しでも、王族にならない為の嘘です」
平民から一気に王族まで行くのか!?
王族アイツらはなぜ
「そしたら、彼ら何と言ったと思います?」
『流石だ。王族になるに、ふさわしい。なると、言っていたら、落ちこぼれどもに、捨ててやるとこだったよ』
「私達を何だと思っているのかと怒りそうになりました。でも、心を落ち着かせ、『はい』とだけ言いました」
何故立派な大人…。しかも王族であろう奴らがセインよりも子供らしいのか。
王族は何故セインに固執する?
何故王族を増やしたがる?
最近の魔王関連の事だろうか。
だが今はそんな事はいいか。
「でも、侮辱された怒りは私の魔法でも消えませんでした。それは今もまだ、心の中に残っています。だから、あんな所に行きたくないと思ってしまいました」
「そうか」
無言の時間が生まれる。
なんとかしてやらないと。
しかし、何故俺になのか。
別の人に倒されればいい。
面倒な事になった。
だがそれ以上に、この子は苦しい思いをしていて、それでいて救って欲しいのだ。
「俺が、やるしか無いか」
「やって頂けるのですか?」
「あぁ。報酬いらない。俺も、国守に痛い目合わせたいし」
「…なら。本気で、やり合いませんか?」
「いや、いい」(即答)
俺の命が無限あっても、リスキルされそう。
「そうですか…。あっ婚約の話なんですけども…」
「婚約…?」
その言葉にティルが反応する。
「ティル、まさか聞いて無いとか…」
いや、あの母さんの事だ。言わないで反応を楽しんでるのだろう。
「このたび、フレム・リティアはこの、セイン・ライセントの婚約が『勝手に』(強調)決まりました」
「えっ…」
さすがに面食らうよな。
「ちょと、母上様を殴りに行ってきます」
「まて、俺も行きたいのは、同じなんだがてか、俺はフレムソード出そうかなってレベルで、ファイヤソードで襲ったら、消された」
「なら、物理的に」
「よし、行くか」
この後、二人まとめて、コテンパンにされるのは、言うまでも、無い。いてて…。
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