第2話 意外な一面
「えーっと、まずは自己紹介からでもいいですか?」
小さい声で私は彼に尋ねた。
「あー、すまん。霧谷一也。それが俺の名前だ。」
霧谷…?……どこかで聞いたことあるような…? まあ、気のせいだよね。
「一也さん、よろしくお願いします。私は柊沙奈です、
でもそれより、昨日の傷まだ痛みますよね…。」
痛々しく滲んだ血を見て、私はそう言う。
「こんくらい、あと数日もすれば治るから心配すんな!」
一也さんはそう言って笑った。本当にその傷で大丈夫なのかな、
「あのっ、こんな家で申し訳ないですが、治るまで安静にしてて大丈夫ですからね。」
こんなこと言うのは自分でも迷惑だとわかっていたけれど、一也さんがどうしても心配だった。
「沙奈は困んねーか?」
「私は全然大丈夫ですよ、!ここ最近、独りでいるのが怖くて___」
って、こんな話!今日話したばっかの人にする話じゃないよね!
でも、一也さんはそんな私の話を笑わずに聞いてくれた。
そんなこんなで話していたら、あっという間に仕事の時間が来てしまった。
「それじゃあ、私今から仕事行ってきますね!今日は色々聞いてくださってありがとうございました。
あと、家にあるものとか好きに使っていいですからね!」
「おう!沙奈ありがとな。」
そんな一也さんの声を耳にし、私は家を出た。
続く
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