第4話 助け
「なぜ、君がここにいる?殺し屋」
「なぜ、あなたは私が殺し屋と知っておいて、あの時死体の処理をさせた?」
私の名前はミカ。殺し屋だ。
しかしあのジャガーとかいう男はあの時、私が既に現場に到着したころにはもう死んでいた。
そしてこの少年が帰ってきて、泣き崩れて、戦闘が始まった。
一体、この男はあのジャガーの何なのか。
「ようやく掴めたよ、あなたは独り言が多いからね」
「ここで殺し合いはできない、外でしないか?」
すると私は男の膝目がけて魔法銃を放つ。
男は飛び、一気に距離を詰める。
この狭い部屋の中、近接戦闘となれば私の得意分野だ。
「君もまだ、子供だろう?17とか16くらいの」
「!?」
動揺してしまい、一瞬の隙ができる。
しまったと思った。
「ならその剣術に対するプライドをへし折るところから始めよう」
「やれるもんならっ!」
男は魔術を詠唱し、虚空から紫色を帯びた剣を取り出す。
私はこの男が只者ではないと危機感を覚える。
「ふっ!」
「!?」
男は剣を上段に構えると、踏み込み、、、
消えた。
いや、消えたのではない。
速すぎて見えなかったのだ。
【ポトッ】
私の右腕はとうに切り落とされていた。
壁に血が付着し、右腕は床に血を垂れ流しながら落ちている。
「うぅ、、、」
「さあどうだ、子供では私に勝てないことが分かっただろう?」
ああ、そうだ。
ていうか、この男はどこから私の素性を、、、
「まだだ、、、まだ戦える」
「もう遅い、屋敷の中にも、外にも、騎士を手配してある。投降するなら今のうちだ」
少年、、、私は君の赤眼を見て一つ感じたよ。
(私の仲間なんじゃないかって!)
ーーーー
どういう思考でこちらに来たのかは分からないが、とにかく、俺が女の腕を切り落とした。
かつてはペッセル流の免許皆伝を受けた俺だったが、今やそれは記憶の本棚の奥底にしまった埃被った本。
しかしその本を久しぶりに取り出した。
ペッセル流は相手の四肢を欠損させるのに長けた流派で、他の流派とは違い、殺すことが目的ではなく、生きたまま捉えたりすることが目的である。
「もう遅い、屋敷の中にも、外にも、騎士を手配してある。投降するなら今のうちだ」
さあ、邪魔する者は殺し屋だろうと、王であろうと、誰でも殺せばいい。
はやく、消えてくれ。
屋敷の外にいる警備員と魔法を使って脳内で会話し、
中で決着をつけることを宣言した。
「ところで、、、あなたが殺したのよね?」
「誰のことだ、、、」
「あのジャガーっていう人のことよ」
「そんなわけ無いだろう。俺はジャガーのことを心の底から尊敬していて、、、」
会話をしている最中、彼女は左手を後ろのグレネードに手を伸ばす。
もちろん見えている。
「おっと、左手は失いたくないだろう?」
「ちっ」
しかしながら、彼女は魔法を詠唱し始める。
危機を感じたので1体1のタイマンであったが、騎士たちを部屋の中に入れた。
「世の中にはこんな言葉がある」
「、、、」
「窮鼠猫を噛む。という言葉が」
途端に彼女の体が閃光に爆ぜ、あたり一面が真っ白になった。
ザシュッ
その一瞬の隙をついたのか、彼女は赤眼の子供の頬に
切り傷をつけた
そして血を舐めたのだ。
「右腕はこれで治る、さあ、まだ私と戦う?殺人鬼さん?」
「、、、お前、俺たちの売り物に傷をつけたな」
俺はまた魔術を唱えると、紫色の剣を取り出す。
「臨界反応」
彼女がそう言った瞬間、またも閃る。
しかし今度はそれを無視して、彼女がいると思われる方向に踏み込み、、、
「、、、消えたか」
俺は静かに剣をしまう。
まあいい、身元も割れている。
そしてあの殺し屋はおそらく、人間ではない。
呪いのせいで全ステ1しか無いですが、恩人のせめてもの助けになれるよう頑張ろうと思います〜貧民街で育てられた俺は殺し屋に助けられて成り上がる @keybord11003
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