第71話 愛してマスカット
「まったく……ミカエラの早とちりのお陰で、クレスの貞操の危機だったわね」
「ご免なさいクレス!アイツにナニかされたりしなかった?」
クレセントは裸にシーツを被っただけで、真っ赤になって震えている
「サリー!コイツの死体をウリエラに蘇生させて!」
「ええ?どうするの?」
「百回蘇生して百回殺してやらないと、気が済まない!!」
「凌遅刑にしてやるわ!」
「りょうちけい……ってナニ?」
「真っ赤に焼けた刃で、罪人の身体を一ミリづつ切り刻んで行くの、切り口は瞬時に焼結するから、出血死させる事無く、ずっと苦しみを与えられるわ……フフフ」
アガリアの眼が本気だ
「うむ、レーヴァテインの出番じゃの」
「……ミカエラ、ミカエラ!ミカエラ!!」
クレセントがミカエラにしがみつく
「どうしたの?やっぱりアイツに……」
最後まで喋る間も無く、唇を奪われる
「んっ、んう……どうしたの?」
「……抱いて」
それはつまり、そう言う意味なのだろうな、とアシュタローテを見ると、無言で頷いている
流石にクレセントの部屋は血塗れなので、お姫様抱っこでミカエラの寝室へ運んでやる
ミカエルが付いて来ようとしたが、アシュタローテが止めた
クレセントを抱っこしたミカエラが寝室に入ると、デュアルコアが静かに扉を閉める
「さあ、ウリエラの所へ行くわよ!」
サリエラとアガリアが死体を袋に詰め込むと、アシュタローテが言う
「産まれた事を永遠に後悔させてやるわ」
冷徹に笑うその紫色の瞳には、確固たる意思と果てしない憎悪が渦巻いている
アシュタローテ達はウリエラの元へ、デュアルコアはペンティアムの元へ子供達を迎えに行く
子供達に聞こえない様に、ペンティアムにコッソリと事情を伝えると、
「成る程、委細承知したわ
私が責任を持って蘇生させると、ミカエラに伝えて頂戴」
デュアルコアがラムエラとバラキエラをミカエラ邸まで引率して、夕食の支度を始めると
「お母さん達は?」
と、ラムエラが聞く
「今日は、事故が有って、犠牲者の方を蘇生させに皆で大聖堂へ行ってるのよ」
「事故?死んじゃったの?」
「ええ、残念ながら……」
バラキエラもラムエラも、甘えて来るガウの息が、血生臭いのに気付いていた
そもそも、死者蘇生に、母親達全員が立ち合うと言う事態が異常だ
恐らく、子供に聞かせたく無い事なのだろうと、事情を察する二人だった
ペンティアムが霊安室へ着くと、既にウリエラが死者蘇生の儀式の魔方陣を展開させて待っていた
「事情は聞いた、始めるぞ」
無駄口一つ言わずに、蘇生の為の聖魔法の術式を構築し、ミカエルとウリエルが蘇生成功率を上げる為の聖歌を奏でる
やがて、ウッソの身体が光に包まれ、魔方陣が激しく回転すると、ウッソの首が身体にくっつき、息を吹き返す
「……ここは?」
丸裸のウッソは、上半身を起こすと周りを見渡し、自分を殺したメンバーが揃っている事に気付く
「ヒッ!何故、アンタ達が居るんだ?ここは何処だ!」
蘇生したウッソは、サリエラとアガリアに依って、手際よく鉄製の椅子に鎖で縛り付けられる
「今から貴様に呪いをかける」
アシュタローテの言葉にビビるウッソ
「の、呪い?」
「どんなに痛くても、気を失う事は叶わず、
どんなに辛くとも、正気を失う事が許されない……そう言う呪いだ」
アシュタローテの指先がほの暗い紫色のオーラに包まれると、ウッソの額に指を突き刺す
ズブリ……
「あがっ?」
指先が第二間接辺りまで突き刺さると、両目をグリンッと白目にしたウッソは痙攣するが、死んだ訳では無い
指を抜いた跡は、綺麗に何も無かった様に塞がっている
「レーヴァテイン、来い!」
アシュタローテは、魔剣レーヴァテインを召還すると、魔力を流し刀身を真っ赤に輝かせる
「先ずは、私のミカエラを唆した罪」
レーヴァテインの燃える刃が、ウッソの指先を僅かに削ぎ落とす
「アアアアーーーーー!!」
肉と血が焦げる音と臭いがするが、血は一滴も流れず、傷口は焼かれ塞がっている
「私の親友を襲おうとした罪」
魔剣を受け取ったサリエラが、反対側の指先を削ぎ落とす
「グアアアアーーーームグッンーーーー!」
「煩いんだよ」
アガリアが猿轡を噛ませて、後ろ側からワイヤーで首を固定する
ペンティアムが魔剣を受け取ると、ウッソの右耳を僅かに削いだ
「私の娘達を害そうとした罪よ」
「お姉様を悲しませた罪です!」
ウリエラも魔剣を受け取り、反対側の耳を削ぐ
アガリアが魔剣を受け取ると、ウッソのキン○マを削いだ
「穢らわしい分際で、私の前に現れた罪よ!」
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