第40話 一番じゃないやり方
「あーーーーもうっ、兎に角ミカエラに会わなくっちゃ!」
「落ち着きなさいよ、それじゃ子供達の行為が全て無駄になるじゃない?」
「ぐぬぬ……」
ペンティアムは九年越しに意趣返しが出来て、上機嫌だ
「大体、子供達だけなら安全に地獄へご招待出来る様に手筈を調えたのに、一体どうやって地獄へ入ったのよ?」
「ああ、ちょっと裏口を用意して、お邪魔させて貰ったわ♪」
「裏口?また悪どい真似を……」
「知ってる?あの娘ったら、子供達の為に躊躇わずに火口のマグマに飛び込んだのよ!」
「それは凄いわね!?流石、私の娘だわ!」
「あら、私の娘よ?」
「って言うか、娘だと思うなら、もう少しマシな入り口用意してあげなさいよ!ナニよ火口のマグマって、馬鹿じゃ無いの?」
「はあ?あの娘が地獄へ行ったと思ったら、慌ててやって来た癖に!どうせケツに火が着いて大慌てで跳んで来たんでしょうが!」
とうとう、額と額を突き合わせて、喧嘩腰の言い争いを始めてしまった
ガチャリ!
控えめなノックと入室の許可を問うてから、ウリエラが執務室を覗きこむ
「あの~ペンティアム様?
お邪魔でしたら出直しますけど……」
「「取り込み中よ!後にして!」」
「はいい~失礼します……」
バタン!と扉が閉められて二人とも我に帰る
「こんな事してる場合じゃ無いわ、早く戻ってミカエラを止めないと、地獄が無くなる!」
「あっそ、頑張ってねぇ?」
「他人事じゃ、無いわよ!
地獄が破綻したら、地上に亡者が溢れるわよ?良いの?」
「……それはちょっと面倒臭いわね」
「アンタも手伝いなさい!」
ルシフェラは有無を言わさず、ペンティアムを連れて地獄へ転移する
その頃、捕虜を尋問してルシフェラの居るであろうパンデモニウムの方向を聞き出したミカエラ達は、セレロンの予見が正しかった事を再確認して密林を後にしていた
(結局、子供達の情報は得られなかったけど、絶対に無事で居る筈!)
ミカエラは確信していた
アシュタローテがそうで有る様に、ミカエラもまた、アシュタローテの事を魂で共感出来ていた
そんなミカエラを見て、ミカエルは少し焼きもちを妬いている
「むーーー、またアーシュの事を考えてますぅ」
「何で、そんな事が分かるのよ?」
「分かります!私とミカエラは魂で繋がってますからね?」
サリエラが聞くと、ドヤ顔で惚気るミカエル
「ああーーはいはい、憑依合体すると魂が一つに溶け合うんだっけ?」
「はい、身も心も一つに交わって、それはもう最高に気持ち良いです」
ゴクリ……
思わず、サリエラが喉を鳴らす
「良いなぁ、ミカもアーシュも憑依合体出来て
そう言えば、アーシュと合体すると胸、大きくなるわよね?」
「嫌なこと言いますねサリー?私もミカエラも、カタチの良い美乳だと思いませんか?
あーー、そうか
サリーはおっぱいが小さいのを、気にしてるんですね?「バコン!」痛いですぅ……」
「余計な事言わなくて良いのよ!
アンタもクレスもデリカシーに欠けるのよ!」
「なーに?私がどうしたって?」
思わず大声を出したら、クレセントに聞こえてしまったらしい
「サリーが、クレスはデリカシーに欠けるって言ってますう」
「あっ、馬鹿?」
「はあ?サリー、アンタ喧嘩売ってるの?」
「違うのよ!誤解だから……」
「そうですよ?おっぱいの小さい同士、仲良くして下さい!」
「「はあ!?」」
天然無神経流免許皆伝な守護天使の不用意な一言が原因で、地獄上空は一触即発の修羅場へと変じた
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
最強 ミカエラ
最凶 アシュタローテ
二位 セレロン
三位 ミカエル
四位 アガリア
五位 クレセント
六位 サリエラ
一般人 デュアルコア
ペンティアムは肉体を放棄すれば、ルシフェラ同様に無敵です
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