第4章 復讐
第18話 前夜① とある武具店にて
ラージュは、準備のために、オーブたち3人と分かれてある場所に向かった。
アンザス領に唯一ある武具店だ。
「いらっしゃいませ」
店に入ると、武具店とは似つかわしくない、老紳士が迎えている。
白髪で長い顎髭を蓄えており、癖のように手で顎髭を触っている。
店内を見渡すと、相変わらず品揃えが良く、そのラインナップも変わっていなかった。
「相変わらず、客がいないね」
ラージュは、慣れた様子で、老紳士に伝えた。
「ほっほっほ。ラージュ様がいてくださるだけで、私は良いのですよ。ラージュ様がこの街を去る時が、この店の閉め時ですね。」
「はは。店主にそう言ってもらえると、嬉しいよ」
「それで、今日は、どうなさいましたか?」
店主は笑顔で問いかけた。
「店主、ついに来たよ。この街を去る時が――」
眉がピクリと反応した。
店主の雰囲気が一瞬にして変わった。
「ほお、ついにですか。具体的には、いつになりますか?」
細かった店主の目は、キリッとしていて、ラージュの言葉を聞き逃すまいと集中していた。
「明日だ。」
「そうですか。ついにこの日が来ましたね。どうですか、最後の日くらいパアッとパーティを開いてみては?」
店主は、微笑んだ。
「ああ、盛大にやろう。店主も参加してくれ、とびきりのゲストがいるぞ」
ラージュは、店主に微笑み返すようにニカっと笑った。
その言葉を聞いて、店主は目を見開いて、ハッとした表情を浮かべる。
「ラージュ様、あまり期待をさせるようなことは言わないでください。この老耄でも、期待してしまうではありませんか。」
店主は、少し悲しい表情を浮かべた。
「はは、期待は裏切らせないさ。後は任せたよ、セバス――」
ラージュは、店主に背を見せて、店を後にする。
「本当に悪いお人だ。」
店主は少し微笑んで、膝を床につけ、ラージュに返事をした。
「かしこまりました、ラージュ様――。あぁ、もう一度、お目にかかれるのでしょうか、おぼっちゃま――」
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いつも「滅国の復讐者」をご愛読いただき、ありがとうございます。
なんか、いろいろ固有名詞とか組織名多いなと感じた、そこのあなた!
ご明察通り、この作品は、結構長編になる想定で書き始めました。
で、今は第一部を投稿しているんですけど、本章を含めてあと2章で第一部が完結する想定ですので、そこまでは投稿を続けたいと思います。
ただ、第二部以降については、第一部の評判が良ければ(もっと良くなれば)、連載していきたいと思います。
なので、変わらず第二部も読みたいなーって少しでも思っていただけましたら、「★」などの評価、拡散などしていただけましたら、幸いです!!
まぁ、なにはともあれ、第一部完結までは走り抜きたいと思いますので、頑張って書いていきます!
今後ともどうぞ「滅国の復讐者」をよろしくお願いします〜!
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