2-6

*描写あり



「兄さん」

「みのる…」

「首、絆創膏貼るよ、ってわあ…凄いな、肩まで…」

「ははは…」


みのるに話を聞くと、ここまで噛まれた経験は流石にないよ、と言っていた。

やはり、来夢くんがずっと我慢していたのだろう。


「私は自分の事しか考えていなかった……最低だ」

「大丈夫だよ、俺なんか逆に毎日くれくれって煩くて大変だったんだから。あ、これ鬼々さんには内緒ね。バレたら俺が怒られちゃう」


みのるはいたずらっぽく笑った。

そして夜。

私は来夢くんの様子が気になって眠れずにいた。


「兄さん、眠れない?」

「起こしてしまってすいません」

「大丈夫だよ。来夢くんのところ行く?」


気になるんでしょ?と言われてみのると共に来夢くんが眠る部屋に向かう。


「鬼々さん、来夢くんどう?」

「ぐっすり眠っておるぞ。まあ明日には回復するじゃろう。それよりみのる、腹が減った」

「はいはい。兄さん、来夢くんのこと頼んでもいい?俺たちさっきの部屋借りるね」

「はい」

「宝。なにかあれば直ぐに呼べ、わかったな」

「ありがとうございます」

「みのる、早うせい。来夢に血を分けたせいでわしも死にかけておるのがわからんか」

「わかったから、ね?」


はいはい、とみのるが鬼々さんを窘め、2人は部屋から出ていった。


「来夢くん」


すぅすぅと寝息を立てている唇を触る。

この口が、歯が、私の血を。

駄目だ、私は何を考えて……。

体が、淫紋が、ナカが、ずくずくと疼きはじめた。


(キス、キスだけなら…………)


軽いキスなら、と思ったのが間違いだった。


「あ…っ」

(もう少し、もう少しだけ)

「ん、ちゅっ」

(どうしよう、止まらない。私は怪我人相手に何をしているんだ)


心ではそう思っているのに、体はまだ足りないと訴えてくる。


「来夢くん…」

「なーに?」

「えっ」

「どうしたの?宝」

「え!あの、いつから起きて…」

「ん?唇触ってくれた所から」

「つまりほぼずっと起きてたってことですか!?」

「うん」


どうしよう、恥ずかしくて死にたくなってきた。

顔を真っ赤にしている私を見て来夢くんがくすくす笑う。


「わ、笑わないでください……」

「いや、かわいいなーと思って」

「そんなこと言わないでください…」

「ねぇ」


と来夢くんが声をかけてくる。


「キスだけでいいの?」


ずくん、と体が疼く。


「で、でも来夢くんは怪我していますし今日は……」

「もうほとんど治ってるよ、ほら」


服を脱いでお腹を見せてくれる。


「本当だ……」

「と言ってもまだちょっと痛みはあるけどね。どうする?」


どうするって、そんなこと言われたら……。

止まれないに決まってるのに。


「ん、んんっ、ちゅ、ちゅうっ、はぁっ、はっ、来夢くんっ」

「宝、今日は甘えたさんだね」

「ん、だって…」

「大丈夫、俺今ここにいるから、ね?」


こくこくと頷く。

私は、こんなにも来夢くんに依存しているのか。

大好きで、堪らない。


「今日は、本当にごめんなさい。私、何も出来なくて…それに、私、来夢くんに甘えてばかりで…」


ぎゅむ、とほっぺを摘まれる。


「それさっきも聞いた。血の事は言わなかった俺が悪いの。宝は悪くない」

「れも…」

「これからは俺も言うようにするから。いい?わかった?」

「ふ、ふぁい」

「よしよし」

「らいむくん、いっぱい、いっぱいシて?」



***



「ん、あっ、あ、来夢くん、気持ちいい、です、か?」

「うん、いいよ」


来夢くんにまたがって、自分の腰を動かす。

しかし来夢くんが、私の腰を掴み、下から突き上げてくる。


「~~ッ!怪我人、なん、だからぁっ、動いちゃ、らめぇっ」

「こんなかわいい宝見て抑えろって方が無理」

「やっ!イっちゃうぅ!」

「いいよ」

「や、だめ、今日はいっしょが、いいっ!」

「もうなんなの宝、かわいすぎ」

「ひっ」

「あ、軽くイった?」

「イって、な」

「そ?じゃこのまま続けるね」

「だめ、私かうご…」


来夢くんが再び私の奥を突いてくる。


「あ、あぁぁっ!おくっ、だめ」

「ここ?」

「ひ、や、め、えっ!おく、つぶれうぅっ」


さっきからずっと頭がチカチカしてて、ぐちゃぐちゃで、もうなにも、わからない。


「あっ、も、やあっ」

「やじゃないでしょ?」

「っあ、ひっ、やじゃない、けどっ」

「けど?」


来夢くんは怪我人かと思うほど、容赦なく突いてくる。

突かれる度に、同時にイく。

それの繰り返しで、私の体は壊れてしまったのだろうか?

しかしそんな事を考える暇もなく、快感は襲ってくる。


「イくぅ、あ、ひぅっ」

「そろそろ出すよ?」


その言葉に私の奥がきゅうっと反応する。

まるで出してくれと言わんばかりに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る