1-2
*描写あり
「初めまして、来夢(らいむ)といいまーす、よろしくお願いしまーす」
そこに吸血鬼と名乗る少年、来夢くんが現れた。
先生が知り合いから助けてやってくれないか、と相談され受け入れたとの事だった。
私としては先生が受け入れたので反対など出来なかったが、本音を言うと、先生との二人の時間が減るのが嫌だった。
***
「…癌……」
「すまないね、君には迷惑をかけっぱなしだ」
「いえ、そんな事は…」
先生が、癌に侵された。
その事実が私の頭を混乱させる。
先生はご自分で入院先を決められていたそうで、明後日から入院とのことだった。
話を聞いてすぐに先生のお荷物を準備し、入院後の事について相談をし、その日はすぐに寝ることにした。
「先生、入院すんだってね」
「来夢くん……」
「目ェ真っ赤だよ」
「君は、知っていたんですか?先生の…」
「癌の事?うん、知ってたよ。宝には言わないでってずっと口止めされてた」
「え」
「言ったら絶対悲しむし泣くだろうから、入院ギリギリまで言わないでって」
「どうして、どうして私よりも、来夢くんを…」
「あの人なりの優しさなんだよ。だってあの人、めちゃくちゃ宝のこと大切にしてるよ?先に俺に言ったのは多分俺がそこまで傷つかないからだよ」
現にそんなに傷つかなかったしねー、と来夢くんは言うが、私はそれどころではなく、自分が信用されていなかったのか、実は嫌われていたのでは、などと葛藤していた。
「宝」
来夢くんが私の頬をギュッと摘む。
「………っ」
「あの人は宝が一番大事なんだよ。あの人だって、宝に言うか言わないかずっと悩んでたんだから。あの人を信用しないで誰が信用するの?」
「う゛っ」
この日、私は初めて人前で泣いた。
2日後、先生の入院先にて癌についてのお話や治療方法などを担当のお医者様から聞き、病室へ移動した。
「先生…」
「宝くん、そんな顔をしないでください」
余命半年と言われているというのに、先生はとてもお優しい。
「もし何かあっても、宝くんだから安心出来るんですよ」
「はい、ありがとうございます」
面会終了の時間となり、病室を後にする。
(そう言えば来夢くんは何処に…)
見当たらなかったので、来夢くんのスマホに連絡を入れると、すぐに返事が返ってきた。
「じゃーねー」
「来夢くん」
「あ、宝。ごめんねいきなりいなくなって」
「いえ、特に問題はないですが…」
「誰と会ってたか気になる?」
「一応聞きましょうか?」
「兄貴だよ」
「お兄さん…がいらっしゃるんですね」
私は、弟とどれくらい会っていないだろうか。
「うん。久しぶりに顔みたからさ」
「そうなんですね。…いい、お兄さんですか?」
「そうだね。自己中でワガママな所はあるけど、ちゃんと弟の俺の事を考えてくれるよ。不器用だから言葉で伝えたりするのは下手くそだけどねー」
(自分とはまるで正反対だ…)
私は兄としてそういったことをした記憶がない。
ずっと自分の体が疎ましくて仕方なく、人のことまで考える余裕なんてなかった。
「でも別にみんながみんな兄貴ヅラしなくてもいいと思うよ」
「そう、ですかね…」
「うん、いいと思うよ」
重い空気が流れる。
その空気は軽くなることなど無く、2人で帰路に着いた。
***
1ヶ月後。
私の体はついに限界に達していた。
「はッ…はぁっ」
そろそろかと思ってはいた。
そんな気持ちを、忙しさで紛らわそうとしていたのに。
こればかりは自分で何をしたって収まらない。
これまでは先生から頂く精液でなんとかなっていたものの、今その先生はいない。
「宝?」
「っ…ら、いむく……」
部屋の外から来夢くんの声が聞こえる。
この家にいるのは来夢くん、ただ一人。
「宝?どうしたの?大丈夫?」
「め、だめ、です…入ってこないで…」
部屋の外にいるというのに、来夢くんの男の香りに体がビクビク震える。
「っア……」
欲しい、欲しい欲しい。
誰のでもいいから。
だめ、だめだ、相手は小さな男の子だぞ。
でも、貰えるなら……。
「宝、開けるよ」
「ダメッ!あ……え、誰…?」
私は布団から顔だけを出した状態でそこにいる人を見上げる。
するとそこには見知らぬ長身の青年が立っていた。
「俺だよ俺、来夢」
「嘘……」
「ホントホント。ほら」
そこには小さい、いつもの来夢くんがいた。
「俺、身長いじれるんだよねー」
弄れるってなんなんだ…。
やっぱり、異種族だとそういうことも容易に出来てしまうのか…。
呆気にとられている私の顔を見て、来夢くんが近づいてくる。
「てか宝、大丈夫なの?」
男の香り。
体がゾクゾクする。
「っ、大丈夫、です……から」
「全然大丈夫そうじゃないじゃん。布団取るよ」
「だめ……」
私の制止も虚しく布団を捲られる。
そこには、下半身を濡らす私の姿があった。
「だから……だめだって…言ったのに」
布団越しよりも感じる来夢くんの香り。
その香りを嗅いで、我慢の糸が切れた。
私の手は来夢くんのズボンにかかっていた。
「来夢くん、ごめん、なさい」
「ちょ、宝っ!?」
驚く来夢くんを無視して、私はそのまま来夢くんのモノを舐める。
「ん…ふっ」
(先生とは違う…っ、本当は、こんなことしたくないのに…。おいしいなんて…私の体は……)
おいしい。
おいしい。
もっと、もっと、ちょうだい。
「はぁぁっ、んっ」
「宝、やめ…」
来夢くんが私を離そうとするが、私の体はそれを拒むように、来夢くんの太ももを掴む。
「ちょうらい、おねふぁい」
「─ッ、宝、出すよ?受け止めて?」
首を縦に振る。
(くる、来夢くんの、が……っ)
「──っく」
「んんっ、ごく、ごくっ、ふぁ…お、いし……ん」
久々の精液に体が喜んでいるのがわかる。
「宝」
「っひ」
来夢くんに声を掛けられて、体がビクッと反応する。
「それだけでいいの?」
首をブンブンと横に振る。
「欲しいっ、ここに…」
そう言って、私は自分の下腹部に隠れる女の部分を両手で拡げる。
「濡れてるから…すぐ、挿入れられる、から、早くっ」
陰部が疼く。
飲むだけでこんなになっているのに、ここに挿入れられたらどうなってしまうのか。
想像しただけでイきそうになる。
「妊娠したらどうするの?」
「ッ、私の、はッ、男を喜ばせる為のものだから、妊娠しない……」
「でもしないとは限らないでしょ?そしたら責任取らなくちゃダメだし」
「イイっ、責任取らなくてもイイからっ、来夢くんの、私のここにちょうだいっ」
「…どうなっても知らないからね」
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