私を愛してくれるひと

ティー

1-1

私は自分が嫌いだ。

私は父親が人間で母がインキュバスのハーフとして産まれた。

私はインキュバスの血が強く、お腹には淫紋がある。

定期的に精液を貰わないと死んでしまうという、インキュバスとしての体質が私の人生を狂わせた。

インキュバスは、精液が足りなくなると男を誘惑するフェロモンが出る。

そのせいで過去に何度もレイプされた。


私は男なのに、女性器がついている。

幸い妊娠はしない(中出しされても妊娠しなかったので)みたいだが、自分が中途半端な人間であると余計に自覚してしまう。

こんな体に産んだ両親は何度も私に謝ってくれたが、謝られたところで何も解決しない。

弟の方は人間の血が強く、そういった症状は全く見られない。

そんな弟が、羨ましくて妬ましかった。

しかし弟はそれがわからなかったようで、遊ぼうとか、一緒に学校に行く!と言って、凄くなついてくれていた。

だが私が高校を卒業すると同時に、家族と絶縁すると宣言し、家を飛び出した。

あの時の家族の、そして弟の顔は今でも夢に出てくるほどだ。


家を飛び出した私を拾ってくれたのが先生だった。

こんな体で、高卒で、何も出来なかった私に、色んな事を教えてくれた。

私は先生のその優しさに何度も救われてきた。

フェロモンが出た時は必ず誰にも会わせないようにして下さったし、先生は私に精液を与えて下さった。

先生の優しさにつけ込む様なことをしている自覚はあった。

先生には、亡くなられた大切な奥様がいらっしゃるのに。

だが気づけば私は先生に恋をしていた。

いけないことだと分かっていたから、絶対に口にはしなかった。

先生とずっと2人でいられるなら、なんだって良かった、良かったのに。

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