帰郷

星読み

第1話

1

 私はある依頼を受け自分が生まれ育った村にやってきた。とても懐かしい雰囲気と共に鼻にくる匂いと静けさ。


 村の中心の方に向かう道のりは長く歩いて1時間ほどかかる。道の両脇には私が育った頃は作物が生き生きと高く生えていたのに、今では植物が高く伸びているだけになっていた。


 村の中心まで歩いてきたが人影は一つも見当たらない。日が落ちてきたため私は数年前に亡くなって両親の家に向かい泊まることした。

 家は中心から歩いて10分ほどのところにある。周りの家は蔦が家の壁を這い窓から人影のようなものが動いたように見えた。


 両親の家に着いた私は魔法で家を囲うように結界を張った。家の中は埃まみれで最近誰も出入りはした痕跡はなかった。私は窓を全て全開にして、風魔法で家具を落とさないように慎重に埃を払った。

 全ての部屋の埃をあらかた払った私は昔使っていた自分の部屋に物置から持ってきた布団を敷いた。夕食は食欲がなかったため保存食を少し食べた。私は窓を開け村を見渡し人影がチラチラと動いているのを確認して眠りについた。


 日が登り始めた頃家を出た。私は3時間ほど歩き依頼の報告をした。「ゾンビの村の調査」と書かれている紙を出し私の帰郷は終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

帰郷 星読み @gachipg89

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画