26話

「んー今日も乗り切ったぁ」


「ほんと蒼真くんは相変わらずですね」


「そうかな、今日魔法訓練なかったし勉強も面白いけど俺は体動かす方が好きだしね」


「話もいいけどもう帰るよ蒼真、凜、桜花がさっきから待ってるから」


「蒼真、蒼真早く帰りましょ」


ほんと桜花は付き合ってから甘えんぼになったな。それでいうと桐花もすごいけどね。本当は凜にはもっと甘えて欲しいな、なんて思っている。


「じゃあ今日は母さんに紹介しないとだし急いで帰るか」


そうして俺達は時間短縮のため身体強化を使って凄いスピードで俺の家に帰った。


今日は母さんに彼女たちを紹介する日だ。俺も今度凜の家に行くつもりだ。

っていっても桐花と桜花は紹介し合ったけどね。


桜花はあの事件後から叔母さんの家に行ってたらしいけどそこからだと学校が遠いということで俺が母さんに無理言って今一緒に住んでいる。


案の定二人にはずるいって言われたけど。


家に入ると母さんが勢い良くリビングから出て来た。


「お帰りなさい」


「ただいま母さん、ちゃんと連れてきたよ」


「こ、こんにちは」


なんか凜凄い緊張してるな。


「母さんこの子が凜なんだ。とっても可愛いでしょ」


「蒼真くんそんなに褒めないでください恥ずかしいです」


桜花と桐花に言ったらもっともっとってせがまれたのにな。


「桜花ちゃんや桐花ちゃんとは違って恥ずかしがり屋なのね凜ちゃんは」


「ふぇ、えーと」


「母さん反応に困ってるだろ、とりあえずリビングに入らせて」


「そうね、ゆっくり話しましょ」


◇◆◇


「もう蒼真ったら入学一ヶ月で3人の彼女を作るなんてこのままだと卒業時はどうなるか想像もつかないわ」


「母さん流石に俺もそこまで節操ないわけじゃないよ」


「なんだ?顔になんかついてるのか」


桐花がじっと俺の顔を見つめてきたので、俺の顔になんかついてるかなんて聞いたら、桐花が、そっぽ向いてしまった。


よく分からないな、女の子は。


「で、今日は夕ご飯食べていくでしょ」


「はい、蒼真ママ」


「いいんですか?」


「蒼真の彼女達なんだから遠慮しないでね、桐花ちゃんなんてほぼ毎日いるんだからね」


「毎日はいませんよ」


「そうは言うけど昨日もいただろ」


「話もここまでにして、じゃあご飯作ってくるわね」


「じゃあ出来るまで俺の部屋で待ってよーぜ」



「蒼真くんの部屋ってこんな感じなんですね」


「こんな感じってどんな?」


「失礼ですけどもっと汚いかと思ってました」


「はは、前はそうだったけど最近は片付けするようにしてるんだ、結婚することとか考えてね」


「結婚って、まだ早くないですか?」


「結婚、楽しみですね」


「そうだな、前の世界じゃ考えもしなかったからな」


「前の世界?」


「えっとそれは気にしないでくれ」


危ない危ない前世のことがうっかりバレるところだった。


「で、何して待つの?蒼真」


「えーとどうしよじゃあ魔法の話でもどうだ?」


「「「却下」」」


「えぇ面白いのに」


「そこまで魔法が好きなのも蒼真ぐらいよ」


「ははっ褒めてくれてありがとう」


そんなこんなで適当に過ごしていたらあっという間にご飯が出来あがっていた。


「「「「いただきます」」」」


「どう?美味しい?」


「はい、美味しい蒼真くんのお母さん」


「そう、それなら良かったわ後ね蒼真くんのお母さんだと長いから空さんとかでよんでね他の二人もよ」


「「「「分かりました空さん」」」


「ねぇ蒼真あーんして」


「前もやったじゃん」


「そんなことやってたの?私にもして」


「私もお願いしますね蒼真くん」


「はいはい」


「ほんとあなた達仲いいわね」


「そうだろ母さん」













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