墓場の肝試し
前編 【幼い経験】
小学生の中学年ごろにもなると、女の子は‘‘ませて”、男の子は調子に乗り出します。昔では、この代名詞とも言える行事が「スカートめくり」
女子の中には下にスパッツなどを掃いて「残念でしたぁ~」と、わざと捲らせる強者もいて、それはそれで楽しくも、そして互いに成長の証でもあります。
女性の中には「絶対に許せない行為だ」と感じられる方もいらっしゃるかと。
一番にダメだと思う部分は女子であれ何であれ、イヤがり、嫌われ、それでも止めないずっと幼いままの男子や、それと同じく成長しないことにあると思います。逆に、更に危険なのは大人が介入し何でも「殆どゼロ」にしてしまおうとすることで、成長を止めてしまうことかもしれません。
「強くなろうとすること」は非常に大切で、その邪魔をしているともっと非常事態の場で硬直してしまい、何も出来ずに思考停止、最大の後悔をすることになります。
レベル上げをせずにボスに挑むRPGのように、パーティーが全滅必須フラグ。
渦を巻く「蚊取り線香」で何度も軽火傷をすることで、火が熱いと学びます。ちょっとしたケンカで、どの程度の力加減が最適かを知り、勝つには物理的な破壊だけではなく心を挫くことを知らない者が、行きすぎた暴力で他者の命すら奪う事になるやもしれません。
今の子の多くはそれらの「程度」を知らない、分からない子が多く、ついやりすぎてしまう傾向があるようですね。心も体もいい意味で非力なうちに学ぶことこそ、良い大人になるかもですよ。
私たちの子供の頃も、子供なりにやりすぎてしまったことがいくつかあります。今ではいい戒めとなり、教訓となって私の心に残っていました。
小学生時代に住んでいた場所の近くに、凄く大きな「霊園」があります。それはとても広い敷地で、どの市でもあるような「緑地公園」程の面積がある霊園です。
私は今の様にホラーやオカルト、怖い話が大好きな子でしたので、毎年のこの「肝試し」のイベントも当然の様に大好きでした。
遊園地には必ずあったお化け屋敷。よく母にせがんで入っていました。しかし、子供達だけでそのような所へ行くことも何もできません。なので、いつものメンバーのいつもの場所、近くのなにも無い公園の道沿いにて、自分達だけで云わば「バァ!!」と、物影から出て来てただの「脅かし合い」で楽しんでいました。
そんな正に「子供だまし」なイベントにどんどんと飽きてきた私たちは、必然的に提案が出ます。
「なぁ、あっこの霊園でやらね?」
一同は沈黙を返す。確かに多くの子が飽きてはいたが、それは流石にホラー上級者だった私たちでも禁句です。私も固唾を飲むことしか出来なかった記憶がありますね。
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