第9話 魔法の屋内練習場に向かった。
鍵をルリちゃんが受け取り屋内の練習場へ向かった。あれ?何でリサまで付いてきてるの?
「……リサ?貴方も魔法の練習をするの?」
「え?……気になりまして」
「気にしなくて良いよっ。貴方……イジワルだし」
気不味そうな表情をして言い訳をしてきた。
「そ、それは……ミサちゃんに元に戻って欲しくてしていただけですわ!」
「ふぅ〜ん……それで、私の大切な子を引っ叩いたんだ?」
「そ、そうですわ。胸が痛みましたが……仕方なくですわ」
珍しくシャルちゃんが腕にしがみついて来た。まぁ……リサのお陰でシャルちゃんが懐いてくれて嬉しいけど……あれはヒドイよね。シャルちゃんの頭を撫でると、見上げてきて……にこっ♡と天使のスマイルを向けてきてドキッ♡としてしまった。可愛い……
「ふぅ〜ん……次は、ないからね……」
リサをジッと見つめると目を逸らして返事をした。
「はい……。もうしませんわ!」
「あのイジワルなお姉ちゃんがイジワルしてきたら、お姉ちゃんに言ってね。お仕置きをしてあげるから」
「……うん。する……」
おぉ。シャルちゃんの反応も素直になってる!
「ねぇ……シャルちゃん……ほっぺ触っても良い?」
「……良いよっ♪」
にぱっ♡と笑い顔を向けてきたので立ち止まり、シャルちゃんの頬をぷにっぷにっ♡と触り癒やされた。
「柔らかくて気持ち良い……」
「お姉ちゃんの手も気持ち良い……♡」
「シャルちゃん……お姉ちゃんの事キライだったんじゃないの?」
「……今は……すきっ♡ 守ってくれて……強くて可愛い!」
あぁ……守ってくれる人か強い人が好きって感じなのかな?リコちゃんは強くて正義感があるから助けて貰って好きってなってたのかも。
えっと……回りからジト目で見られていたので仕方なく、イチャイチャを止めてシャルちゃんと手を繋ぎ校舎を出て渡り廊下を歩いていると……
「お姉ちゃーんっ!!ヒドイ!!待ってたのにー!」
リコちゃんが校庭から駆け寄ってきて抱き着かれた。
「ごめん。そこに居るイジワルなお姉ちゃんに、ルリちゃんとシャルちゃんが絡まれててさー」
「そうですか。まったく……自己防衛も出来ないのですね……」
リコちゃん……他人に冷たくない?無関心だよね。
「それでね……あ、これから屋内の練習場を使わせて貰えるんだって!」
危ない、危ない……リコちゃんに魔法が使えるようになった事をサプライズして驚いた顔が見たい!
「凄いですね。屋内練習場って普段は使わせて貰えないんですよ!さすがお姉ちゃん!」
え?そうなの?情報に詳しそうなリサを見た。ルリちゃんはリサに萎縮してしまってビクビクして頼りになら無さそう……
「あ、はい。普段は一般生徒には開放はされませんね……魔法の大会と大会の練習の時に開放はされますけれど……ミサちゃんが……」
慌ててリサが言おうとしていた言葉を遮った。
「リサも、ちゃんと魔法の練習をしてよ!余計なことはしないでよねー」
「分かっていますわ」
リコちゃんが、不思議そうな顔をして見つめてきた。
「だれ?あのお姉さん……」
「だからイジワルしてた人だって言ったでしょ」
「なんでそんな人が付いてきているの?」
「それは……屋内練習場で魔法の練習をしたいんだって……ねっ?」
目線で同意を求めると、気付いてくれて素直に返事を返してくれた。
「は、はい。この連れの5人の魔法の練習をさせたくてですわ。それに、こんな機会は滅多に無いですから」
リサが誤魔化してくれるけど……あれ?リコちゃんは振り向きもせずに無視ですか……?
「リコちゃん、聞いてるの?」
「……はい。聞こえましたよ」
「返事はしないの?相づちとかさ……」
「お姉ちゃん以外の人の話は信用していませんし……わたしには関係ありません。お姉ちゃんが、お姉さんが練習場に付いてきて練習したいって言っていたので……それだけで分かりましたし、理解も出来ましたよ」
あ、そうですか……嬉しいんだけど、これじゃ敵を増やすんじゃないの?お姉ちゃんは心配だよ……うぅ〜ん……でも可愛い……後で、ぎゅぅ♡ってしようよーっと。
練習場に着くとルリちゃんが鍵を開けると、広く豪華な魔法の練習場が目の前に広がっていた。さすが貴族が使用する練習や大会の会場だけあるね……観客席もある。
練習場の方は、的が10体並んでいて選手が立つ場所には仕切りがしてあって回りが見えなくなっていて集中できる感じになっているのね。
「皆で魔法の練習が出来るね!さっそくやってみようよ!」
「わたしは、お姉ちゃんの練習がありますので、他の方は勝手にしてて下さい」
「そっか……うん。リコちゃんと一緒かー緊張するなぁ」
「……真面目に練習をしてくださいよっ」
リコちゃんに睨まれたぁ。うふふ……♪でも……サプライズには好都合だよねー……仕切りがあって驚く顔が見れないところだったし。
「あの的って、魔法を放ったら壊れちゃうんじゃないの?」
「お姉ちゃんは、的の心配より自分の心配をして下さいっ!」
「はぁい……」
リコちゃんに注意をされて、不貞腐れた返事を返した。
「……的には壊れないように結界が張ってあるので大丈夫ですよっ」
皆の前では……ツンツンしてる態度で素っ気ないけど、ちゃんと教えてくれるんだよねー。可愛くて優しい♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます